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GEデジタルのCEOが自らポストしたIoTリーダーへの道

IDC社の調査レポートで認定、ビル・ルーがLinkedInで心境語る
GEデジタルのCEOが自らポストしたIoTリーダーへの道

GE REPORTS JAPANより 

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)といえば重厚長大な製造業、あるいは、金融といったイメージが強いかもしれない。GEは次の時代に向けて経営と事業の変革に取り組み、デジタル技術に投資を傾けてきた。そうしてソフトウェアを手がける事業部門「GEデジタル」が発足したのは2015年のこと。そして最近発表されたIDC社の調査レポートでは、この分野のリーダーに位置づけられた。GEデジタルを率いるビル・ルーが、この栄誉を受けて自身のLinkedInにポストした記事を紹介する。

(以下、GEデジタルCEO兼GE CDO ビル・ルー)

 「数年前、私たちはインダストリアル・インターネットの可能性を世に紹介し、産業界の変革を目指した旅に出ました。まずGEの社内、続いて市場全体について眺めてみたわけですが、そこにはギャップがありました。デジタル・トランスフォーメーションを進めるテクノロジーは具体化されつつありましたが、そこに産業領域特有のニーズに特化した要素を取り入れることが絶対的に必要でした。これがきっかけとなり、デジタル・トランスフォーメーションのあらゆる段階にある企業がインダストリアル・インターネットのメリットを享受できるよう、特別に設計したアプリケーション開発プラットフォーム、Predixが誕生したのです」
ビル・ルー(William Ruh)GEデジタル CEO 兼 GE CDO


GEデジタルの評価


 「GEデジタルは最近、世界的な市場調査会社であるIDC社の最新レポート『IDC MarketScape:IoTプラットフォーム(ソフトウェアベンダー)2017ベンダー評価』で、IoT(モノのインターネット)ソリューションのリーダーとして認定されました。これは大変な栄誉です。同様に、私はGEデジタルのチームとGEの組織全体を誇りに思っています。私たちは、デジタル・トランスフォーメーションを率先して進め、石油・ガス、電力、輸送、ヘルスケアなど、さまざまな産業における新しい考え方やソリューションの創造を継続的にリードしてきました」

 「業界のIoTプラットフォームプロバイダーを評価するこのレポートは、能力と戦略という2つの主要カテゴリーに対する強みを分析しています。GEデジタルをリーダーと位置づけたIDC MarketScapeは、GE独自のデジタル・インダストリアル・トランスフォーメーションのシナリオを評価し、これを根拠や魅力として挙げ、同じように独自のデジタル・トランスフォーメーションに乗り出している企業と対比しました。また、IDC MarketScapeはGEデジタルが有する層の厚い一連の分析ツール、産業ノウハウ、エコシステム、顧客を引き合いに出し、これらすべてがデジタル・インダストリアル・トランスフォーメーションを実現するうえで当社が信頼できるパートナーであることを実証していると言及しています」

IDC社より

これまでの道のり


 「世界最大級の多国籍産業コングロマリットとして、GEはまず自社における実験的取り組みから始めました。既に市場にある多くのソリューションを検証したものの、世界中に拡がる大規模な産業資産をもつ当社のような企業のニーズにぴったりフィットするものは見当たりませんでした。そこで、産業と産業資産のニーズに特化して設計されたプラットフォーム、Predixを開発したのです。Predixはインダストリアル・インターネットの成長に伴って、学習能力を拡大し、成長することができます。こうした流れを受けてGEの新たな事業部門として『GEデジタル』が誕生しました」

 「それ以来、私たちは顧客企業やパートナーが独自のデジタル・トランスフォーメーションを実現できるよう、支援に注力してきました。Predixはインダストリアル・インターネットが提供するあらゆるものを、企業が最大限に活用できるようにするための鍵を握っています。従来の自動制御からさらにその先、知識や効率を向上し、アイデアやイノベーションを加速させる可能性をもたらす自立型産業システムへの移行を支援します」


「デジタル・トランスフォーメーション」のパートナー


 「GEデジタルは、Predixプラットフォームを通じて機器、情報、人をつなげることに的を絞って注力しています。産業生産性の中核を担うのはアセット・パフォーマンス・マネジメント(APM)です。Predixを搭載した当社のAPM製品群によって、企業はモバイル機器の利便性を活かして物理的資産をシンプルに監視できるだけでなく、ダウンタイムを削減したり、将来のイノベーションを加速させたり、生産性向上を可能にする、スマートで予測可能な環境を創造することもできます」

 「現在の産業サービスモデルを転換することは、デジタル・インダストリアルを目指す旅に欠かせないもうひとつの要素です。いま多くの企業は、資産を管理・点検する際、データから得られる洞察とリアルタイムの行動とを組み合わせる能力が不足しているために、予期せぬダウンタイムを招いています。ServiceMaxを通じて提供するGEデジタルのフィールドサービス・マネジメント(FSM)スイートは、より高い生産性の実現にむけた道筋を示し、資産集約型産業における “事後対応的”なBreak/Fix(故障したら修理する)サービスモデルからコストと予期せぬダウンタイムを削減する“予測モデル”へのシフトを実現します」

 「当社の顧客企業はこうしたソリューションを導入し、さまざまな産業においてデジタル・トランスフォーメーションを加速させています。これこそがPredixとインダストリアル・インターネットの力なのです」

インダストリアル・インターネットに対するビジョン


 「インダストリアル・インターネットの可能性を展望すると、私たちはまだほんの一端を開いたばかりだということを認識させられます。GEはいま、パートナーや顧客企業とともにツールやソリューション、アプリケーションを構築中で、これらが未来の事業の創造に役立つものと確信しています。こうしたソリューションによって、自立型産業システムやマシンラーニング、測り知れないメリットをもたらす可能性がある高度なAI(人工知能)技術などが、真に強化されることになるでしょう」

 「しかし、それはお客様がいま抱えている課題を解決することから始まります。つまり、それらの課題に正面から取り組んで、デジタル・トランスフォーメーションのあらゆるステップにおいて、お客様を支援することです」

 「今回のIDC MarketScapeによる評価は、グローバルな顧客基盤と層の厚いパートナーエコシステムを兼ね備えたIoTプラットフォームとソフトウェアのリーディングプロバイダーとして、GEは顧客企業がデジタルの力を真に発揮できるようにする支援能力を備えていることを示す証となりました」
GE REPORTS JAPAN
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
内容に目新しさはないが、すばやくCEOがSNSで発信し会社として広くシェアする。マーケティング文化も変わってきていることが実感できる。

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