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“北海道版トクホ”の要件緩和、健康・医療分野の企業誘致に動く

北大を拠点に産学連携の研究開発体制を築く
“北海道版トクホ”の要件緩和、健康・医療分野の企業誘致に動く

北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)のマーク

 北海道企業誘致推進会議(高橋はるみ代表=北海道知事)は健康・医療分野の企業誘致を積極化する。健康・医療関連の産学官連携拠点が新設され、北海道版の特定保健用食品(トクホ)である「北海道食品機能性表示制度」(ヘルシーDo)の要件が緩和されたことなどから北海道の優位性を訴求する。大学などと連携し、展示会出展や研究シーズ集の作成などで情報発信する。大学と企業の共同研究促進から研究所や工場の誘致による雇用創出などにも結びつけたい考えだ。

 北海道大学が5月に開設した、食と健康分野の研究開発拠点は「フード&メディカルイノベーション国際拠点」。北海道の強みを生かした食と医療を融合した新産業の創出を目指し、産学官連携による研究開発を後押しする体制を構築する。

 ヘルシーDoは2013年8月に8社12品目でスタート。これまでに「カスピ海ヨーグルトプレーン」(フジッコ)、「美かぼちゃコロッケ」(イオン北海道)、「ランチパックほろにがココア」(山崎製パン札幌工場)など23社43品目が認定されている。

 15年度からは道内だけでなく道外企業に研究成果などを活用してもらうため、道外OEM(相手先ブランド)生産を解禁。道外企業が道内企業の工場へ製造を委託し、道外企業名で販売する際も認定の対象となる。要件が緩和されたことで道産機能性素材に関心の高い食品メーカーなどに訴求する。

 新たに大学などと連携し、10月に横浜市内で開催される「バイオジャパン2015」や11月に大阪市内で開催する「北大R&Bセミナー」などに出展を予定。道内大学の研究シーズなどの周知を図る。

 同会議は道内19企業・団体などで構成。健康・医療分野の企業への誘致施策は15年度の事業計画に盛り込んだ。14年度の道内企業立地件数は前年度比3件増の87件。災害リスク分散のニーズなどを受けて、堅調に推移している。(札幌)
日刊工業新聞2015年06月10日 列島ネット面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
国は今年4月に機能性表示食品制度を設けた。トクホより簡単に健康効果が表示できる。「ヘルシーDo(ドゥ)」は自治体独自の機能性表示の先駆けで、最近は他県にも広がり情報交換会なのでもできている。しかし当該自治体以外での知名度が低く、認定マークがあるからといって必ずしも売り上げが伸びているわけではない。現状「B1グランプリ」の方がよほど経済効果がある。何かブランドを高める工夫が欲しいところ。

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