夏休みには工場見学に行こう!―食品大手メーカーが見学施設を強化する理由

工場で「おもてなし」、認知度上げて販売拡大

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日清オイリオグループの工場
 食品大手の間で、国内の主力工場に見学コースを新設したり、見学施設を強化したりする動きが広がっている。日清オイリオグループは横浜磯子事業場(横浜市磯子区)で夏休み期間中に「夏休み特別オープンファクトリー」を実施し、食用油の原料輸入から製造工程を紹介する。雪印メグミルクは阿見工場(茨城県阿見町)内に、新PR施設をオープンした。消費者の理解や認知度を上げて販売拡大につなげるため、工場見学も重要な役割を果たしている。

 日清オイリオの特別ファクトリーは期間中、平日の10時半からと14時からの1日2回60分コースで実施する。料金は無料。専用バスで工場敷地内を移動し、食用油の精製工程や脱色工程、充てん工程などを見学。横浜磯子事業場は敷地面積が23万3000平方メートル、サイロ貯蔵能力が約11万トン(大豆換算)の、製油工場では国内最大級の施設だ。海岸に面しているため輸入原料を運ぶ船舶をそのまま横付けでき、輸送コストがかからない。ファクトリーでは船舶から原料を降ろすアンローダーなども見学可能で、原料を輸入に頼っている様子と、自動化が進んでいる状態を実感してもらう。

 雪印メグミルクの阿見工場も、昨年11月に稼働したばかりの新鋭工場だ。老朽化や手狭になった横浜チーズ工場、関西チーズ工場、厚木マーガリン工場の3工場を集約、ネオソフトマーガリンや6Pチーズなど主力商品を生産する。高速道路に近く、総合物流センターも併設する。PR施設では子どもから大人まで幅広く楽しめるよう、プロセスチーズやマーガリンの品質管理、知識について映像やクイズなどで紹介。包装ラインを見学でき、乳製品試食もある。年間1万5000人の来場を見込む。

 工場見学関係では味の素も国内主力工場の川崎工場(川崎市川崎区)に、うま味調味料の見学コースやPR施設を新設した。キユーピーや明治、サントリー食品インターナショナルなども、主力工場でPR施設を強化している。

 ビールを除くと食品メーカーのPR施設は本格的なものは少なかったが、最近の各社の施設は試食や試飲ができるといった“お楽しみ”でなく、商品の製造工程や品質管理、作り手のこだわりなどの説明に重点を置き、理解を深めてもらうように苦心している点が特徴だ。

 厳重な品質管理で「食の安全・安心」問題に対応したり、競合他社と違う製法や原料の違いをアピールしたりする。国内消費者は価格と同時に品質、安全を重視する傾向が強く、工場見学はPRする格好の手段といえそうだ。

日刊工業新聞2015年06月11日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

工場見学、面白いですよね!大好きです。製造しているところを見ると、その製品に愛着が湧きます。食べるとき、作っている人たちの顔が浮かびます。こうして獲得できたファンはかなり価値が高いと思います。

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