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【世界に誇るテックベンチャー#05】ウェルスナビ

モノづくりができるフィンテックベンチャーへ。柴山和久社長インタビュー
 ―国内の個人向け金融資産運用サービスは、市場規模が巨大です。その中でどう顧客開拓をしていきますか。
 「ラップ口座などが高齢者向けであるのに対して、当社は働く世代向けのサービスということを明確に打ち出し、社会インフラの一部を担うような新しいサービスを作っていきたい。エンジニアが全体を引っ張る”エンジニアドリブン”の金融機関として、100万人くらいに利用してもらえるサービスを目指している」

 「国内における働く若い世代の金融資産20兆円のうち、預かり資産額1兆円(シェア5%)を東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年くらいまでに実現したい」
 
 ―エンジニアは現状、どれくらいいますか。
 「約40人の社員のうち、エンジニアが過半数を占める。その他にウェブデザイナーやクオンツ(市場動向の分析や予測を行う専門家)がおり、自分たちはモノづくりができるフィンテックベンチャーとして、顧客の求めるサービスに応え続けていく」
 


 ―海外ETF(上場投資信託)を組み合わせて運用していますが、投資銘柄の選定基準は?
 「長期的な視点からお客さまの資産の安定的な成長を狙うために、資産クラスごとに最良と考えられる ETF を選定している。具体的には、全ての米国上場 ETF の中から①資産クラス全体に連動②純資産総額③流動性④外国投資信託の届出がされている⑤低コストーという観点により銘柄を選定している。

「国内では、一部の日本株ETFを除くと最大規模の投資信託でも純資産総額はせいぜい 1 兆円台。これ対してWealthNaviが投資対象としている銘柄のほとんどが、それを上回る規模となっている」
(聞き手=宮里秀司)
【会社概要】
2015年に創業。資産配分の決定や金融商品の選定などを自動化する「ロボアドバイザー」によって国際分散投資を手掛けるサービス、WealthNaviを展開する。直近の口座数は2.6万口座。預かり資産は150億円(6月15日現在)。

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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
フィンテックベンチャーが台頭する中にあって、”エンジニアが会社を引っ張るプロフェッショナル集団”という趣があります。エンジニアやデザイナー、法務部などが一体となって、サービスを改善していけるスピード感と小回りの良さが強みです。今後は成長の過程でこうした強みを維持していけるかどうかが、カギを握りそうです。

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