話題の北陸の森林が水素供給基地に!

ジャパンブルーエナジーがバイオマス発電プラント

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 地域の森林資源から電力を作り、水素も生成するバイオマス発電プラントが2015年末―16年初めに宮崎県と石川県で相次ぎ稼働する。化石資源に頼らずに地方をエネルギー供給基地にできるプラントは、従業員が20人に満たないジャパンブルーエナジー(東京都千代田区、堂脇直城社長、03・3234・1551)が開発した。堂脇社長は「15日に燃料電池車が発売され、水素社会への号砲が鳴った。都市部だけでなく地方にも水素ステーションを作れる」と意気込む。

 電力も水素も生み出すプラント「ブルータワー」の燃料は、通常の木質バイオマス発電と同じ。山林の手入れで切り出された間伐材、製紙や建材に使われなかった残材などを燃料にできる。最大の違いは木材を燃やさずにガス化する点だ。

 ブルータワーではまず、木炭を作るように木材を高温で熱する熱分解工程がある。木材から発生した炭化水素ガスを回収し、次の改質工程で水蒸気と混ぜて水素濃度の高いガスに改質する。改質ガスはガスエンジンやガスタービン、燃料電池に送って発電に使う。改質ガスの一部をガス分離装置に通すと高純度な水素ガスができる。

 間もなくプラント建設を着工する宮崎県串間市での事業計画では、改質ガスの97%をガスエンジンに供給し、出力3000キロワットで発電した電力を売電する。残り3%を高純度水素ガスにするだけで燃料電池車200台分の燃料を作れる。

 木材から水素が取り出せることは知られていたが、ネックが液状タールだった。堂脇社長は「液状タールは機器に付着して故障を引き起こす。液状タールを出さない技術の開発がブレークスルーだった」と強調する。

 タールの沸点は400度C。熱ムラをなくし、装置内を高温で均一にしてタールを徹底的に分解できれば液状タールの発生を防げる。ブルータワーは熱ムラを小さなセラミックス製ボールで抑えた。熱分解工程でガスを抽出した後の木材の炭(チャー)を燃やし、ボールを加熱。高温を蓄熱したボールを熱媒体として熱分解や改質工程を循環させて装置内を高温に保つ。ボールの熱はガス化や改質にも使う。

 串間市のほか石川県輪島市でもブルータワーの建設計画が具体化している。岩手県宮古市では発電で生じた熱もハウス栽培に使う計画がある。順調にいけば串間、輪島の両市は15年末から16年初めにかけて稼働する。

 ブルータワーは化石資源に頼らずに水素を生産できる。「地元の森林資源で作る“地域産水素”だ。水素ステーションの運用者は決まっていないが、地元の産業ガス販売会社が運用者として想定できる。地域にお金が循環するモデルを作れる」(堂脇社長)としている。

日刊工業新聞2014年12月19日 建設・エネルギー・生活面

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松木喬
編集局第二産業部
編集委員

木質バイオマスというと発電が注目されます。森林資源から水素も作れるようになれば日本の森林整備が促され林業の活性化、そして地域活性につながります

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