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「季美の森」がゴルフ好きの街からスマートコミュニティーへ転換を目指すワケ

人口減少と高齢化進み、新たな街作りへ東急不とホンダが実証
「季美の森」がゴルフ好きの街からスマートコミュニティーへ転換を目指すワケ

季美の森公式ページより

 東急不動産ホールディングス(HD)とホンダは18日、千葉県大網白里市と東金市にまたがる住宅団地「季美(きみ)の森」で、今夏から高齢化社会対応型のスマートコミュニティー実現を目指す実証実験を始めると発表した。

 季美の森は東急不動産などが手がけた郊外型の住宅団地。実証実験は、地元住民と連携し、共同実証実験拠点「季美の森共創LAB(仮称)」を開設。3年間をめどに実施する。

 第1弾として、高齢者や主婦などを対象に、ホンダの次世代電動パーソナルモビリティーによる団地内走行やカーシェアリングなどを実施し、有効性や利便性を検証していく。

 同時に、ホンダのエネルギー管理技術による持続可能なコミュニティーづくりや、ロボティクス技術「ホンダ歩行アシスト」を活用した住民の生活・健康支援も順次進めていく。
日刊工業新聞2017年5月19日
江原央樹
江原央樹 Ehara Hiroki 日本能率協会コンサルティング
季美の森は、季美の森住民公式ホームページによると、1994年に日本には珍しいゴルフ場と住宅地が東急不動産により一体開発・分譲された、約200万㎡、区画数1855戸の住宅地とのことである。ゴルフコースに沿って洋風の戸建て住宅が整然と並び統一感のある自然豊かな街並みを実現し、住民による地域活動も盛んなようだ。ゴルフを趣味とする人や自然豊かな生活を望むご家庭にとってはまさに楽園のような魅力的な地域である。しかしながら、ある調査によれば分譲から23年が経ち人口減少により高齢化率が徐々に上昇しているとのことであり、本取り組みが、限りあるエネルギーを有効活用しながら高齢者や若者が地域を支えあう快適かつ豊かな生活を実現し日本全体が抱える人口減少問題への解決策の一つとして、新たなスマートコミュニティのあり方を提示してくれることを期待し、その今後に注目していきたい。

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