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IoTの潮流に乗り遅れるな!東芝機械が射出成型機やロボットで予防保全

東芝電子エンジニアリングが品質工学の知見を生かしデータ分析で協力
 東芝機械は射出成形機、ロボットなど自社製品の適切なメンテナンス時期を顧客に提案する予防保全サービスを1年後をめどに始める。機械の温度、湿度、振動の稼働データをセンサーで収集して分析し、機械が故障する予兆をとらえて顧客に早期のメンテナンスを勧める。機械が故障で停止する時間が無くなるため、工場の生産性を高められる。機械の稼働データによる予防保全サービスは、製造業でのモノのインターネット(IoT)活用の主要な潮流となっており、東芝機械もその流れに加わる。

 モニター企業数社と実施するテストを経てサービス化する。保守サービスの新メニューとして、月額制で提供する予定。センサーで収集したデータを、IT企業と契約して用意したクラウド基盤に集めて分析する。

 東芝電子エンジニアリング(横浜市磯子区)が品質工学の知見を生かし、データ分析で協力する。東芝機械は分析結果を基に、機械の適切なメンテナンス時期を見極める。

 温度、湿度のデータで生産現場の環境を、振動データで機械の状態を診断する。モニター企業とのテストでは、センサーをどこに設置すれば実際の挙動に近いデータを取れるか検証する。

 温度などのデータ以外にも、射出成形機の成形条件など機械に蓄積した情報を収集し、3要素と照合して分析する。

 サービス開始から当面は機械の過去のメンテナンス履歴を提案時期の参考にする。提供を始めてから時間が過ぎるほど、取得するデータ量が増えて分析精度が向上し、より最適なタイミングで提案できると見込む。

日刊工業新聞2015年6月8日付機械・ロボット面
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
東芝機械は数値制御装置やサーボモーター、ロボットまで内製する工作機械メーカー。東芝グループのIT技術を組み合わせれば、こうしたIoT関連サービスの立ち上げも容易になると思います。むしろこれまで取り組んでいなかったのが不思議なくらいかも?今後、こうしたサービスはどんどん出てくるのではないでしょうか。

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