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パナソニック、まだまだテレビ頑張ります!メイドインJAPANの4Kを北米に輸出

現地生産終了もブランド維持に欠かせず。上位モデルでネット通販増やす
 パナソニックは2015年度内に北米向けテレビの現地生産を終えるのに伴い、上位のフラッグシップモデルを日本などで自社生産し、輸出する検討に入った。北米では4Kテレビなど上位機種への品質要求が高いため、自社製を供給する。テレビ事業は北米と中国が不振で両地域の事業を縮小し、中国に続き北米でも生産終了する。両地域で販売するテレビは全量をODM(相手先ブランドによる設計・生産)調達する方針だったが、北米の上位機種のみ自社製にする。

 パナソニックはテレビ事業の構造改革で14年度に中国工場を閉鎖した。北米向けテレビ生産拠点のメキシコ工場(ティファナ)も、15年度内に換気扇などの他製品を作る工場に転換する。米国向けテレビは家電量販最大手のベストバイを中心に販売チャンネルを絞り込み、機種数も減らした。しかし、テレビは法人向け事業を含めて、ほかの製品展開やブランドの維持・向上に必要として撤退はせず、米国で力を入れる直販のインターネット販売では扱いも増やす。

 テレビ生産の中核は今後、日本、マレーシア、チェコの工場とし、高付加価値品は日本で担う。そこで北米向け上位モデルは日本からを中心に、輸出を検討する。中国向けは全量ODM調達を続ける。テレビ事業は15年度に営業黒字転換を計画するが、売上高は前年度比約20%減の3609億円と予想。米中での販売縮小が減収の主因となる。今後は収益が見込める日本、欧州、アジア、中南米を主体に展開する。
日刊工業新聞2015年06月08日 1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
テレビ事業は今年度に黒字転換を目指すが売上高は2割減る予想。10年ほど前、日本の家電メーカーはテレビ事業関連で設計や製造、営業など膨大な人員を抱えていた。当時からかなり固定費を削減したが、やっぱり完全撤退はなかなかできない。ブランド力の毀損が一番怖いのだろう。

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