ニュースイッチ

JR東日本と東海、今年度は過去最大の設備投資!リニア着工や地震対応など

JR西日本も2番目の水準。収益拡大局面で事業基盤の強化に動く
JR東日本と東海、今年度は過去最大の設備投資!リニア着工や地震対応など

リニア車両

 鉄道各社の設備投資は旅客需要の拡大で運輸収入を中心に収益が順調に伸びていることもあり、ここ数年は増加基調。JR東日本とJR東海は、15年度の設備投資額が過去最大。JR西日本も10年に次ぐ過去2番目の規模。潤沢なキャッシュフローを新型車両の導入や、地上設備の改修などに投資し、事業基盤の強化につなげている。

 JR東日本の15年度の設備投資額は、前年度比6・3%増の5550億円。中央線や南武線など新型通勤車両の投入のほか、首都直下型の地震に備え、駅や地上設備などの改修に投資する。JR東海は同34・4%増の3660億円。間もなく本格着工するリニア中央新幹線の建設費などに930億円を投資する。リニア関連は14年度に比べ4倍に拡大。柘植康英社長は「工事の本格化で、設備投資が来年度以降さらに増える」としており、東海道新幹線の大規模改修と合わせて、設備投資を拡大させる方針を示している。JR西日本は同2・4%増の2310億円。津波対策や通勤車両、北陸新幹線開業関連などに投資する。
 
日刊工業新聞2015年06月03日 点検・設備投資から一部抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
JR東海は16年度も今年度よりさらに設備投資が増える計画で、リニア建設が続く今後数年間は高水準の投資が続く。新幹線車両では日立製作所などが知られるが、超電導リニアは日本車両と三菱重工が担当する。一方、最近は地震活動が活発化しており、JRや私鉄各社は防災・減災関連の投資も厚くせざるを得ない。人手不足による人件費の高騰が、投資をさらに上振れさせる可能性もある。

編集部のおすすめ