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中部電力が電柱を利用した新サービスの実証。ソニーのIoT技術活用

車両運行管理や気象観測の情報提供など
 中部電力は9日、電柱に設置した通信装置などを利用した業務の効率化や新サービスの実証実験を、7月をめどに愛知県豊田市で始めると発表した。配電技術者の位置を把握して停電発生時の素早い復旧対応を図ったり、他社と共同で車両運行管理や気象観測の情報提供サービスなどを行ったりする。投資額は非公表。

 実験では、ソニーとソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)が開発したIoT(モノのインターネット)向け無線技術であるLPWA通信技術を活用する。他社のLPWAより広域で通信でき、携帯電話がつながりにくい山間部でも活用できる見込み。実験の終了時期は未定。LPWA以外の通信技術の活用も検討している。
日刊工業新聞2017年5月10日
永里善彦
永里善彦 Nagasato Yoshihiko
電柱は美観を損ねているが、日本中に林立している。この存在する物体を利用しない手はない。これまでの既成概念にとらわれることなく新しい活用方法を探求するために、異業種の人や女性等のアイデアを呼び込み、電気事業者の呪縛から解き放たれたニュービジネスを構想してほしい。今回の中部電力の実証実験がその第1歩となることを期待したい。

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