病理標本を作製する全自動装置を欧米に、がん患者増に対応

サクラファインテックジャパンが販売

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拡販する全自動連続薄切装置
 サクラファインテックジャパン(東京都中央区、石塚悟会長兼社長)は、病理標本作製を効率化する全自動連続薄切装置「ティシュー・テックスマートセクション」を今秋にも海外で発売する。世界でがん患者が増加する中、標本作製の自動化ニーズに対応するのが狙い。医療機関や製薬企業などに提案し、2020年に世界で年間90台の販売を見込む。

 スマートセクションはロボットを活用し、がん患者などから採取した検体を数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の厚さに連続的に薄切りし、スライドガラスに貼り付ける。無人で連続処理し、検体の取り違いといったミスも抑止できる。国内で14年に発売し、年10台程度を販売している。

 海外販売ではグループのサクラファインテックUSA(SFA、カリフォルニア州)、サクラファインテックヨーロッパ(SFE、オランダ)の欧米2拠点を活用する。9月に米国で開かれる病理関係の学会に出品し、営業活動を始める。

 販売に先駆け、SFA、SFEに専任の営業組織を設け、営業担当者やシステム導入、アフターサービスの技術者などの教育を始めた。北米の安全認証規格「cETL」も取得し、国内で生産する同装置を今後、世界標準機として仕様も切り替えていく。

 がん患者数の増加や患者個人への薬の効果・副作用を診断する「コンパニオン診断」の普及により、病理標本数は増加している。また、新薬開発での薬効薬理試験、安全性毒性試験などでも標本の需要が拡大している。「世界で標本が増加する中、作製する技師が足りなくなってくる。自動化で技師の負担を軽減したい」(藤本幸司マーケティング本部担当部長)としている。

日刊工業新聞2017年4月25日 05:00)

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

スマートセクションは「ロボット大賞」で日本機械工業連合会会長賞を受賞した製品。世界的に増え続ける病理標本に対して、自動化で標本の質と、職場環境の改善に寄与していく。

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