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2020年五輪で「SAITAMA」も猛烈アピール!

埼玉県でもサッカーやバスケ用の施設改修準備が急ピッチ
2020年五輪で「SAITAMA」も猛烈アピール!

サッカーの聖地になりつつある「埼玉スタジアム2002」

 2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、東京都だけではなく、競技開催が予定されている埼玉県内の施設も改修の準備が急ピッチで進められている。現在は中長期修繕計画に基づき改修を進めているが、今後は海外からの観光客をにらみ、多言語表記の徹底や多言語に対応できるスタッフの育成が課題だ。

 サッカーが行われる予定の埼玉スタジアム2002(さいたま市緑区)は、大規模な施設修繕・更新を前倒しで実施する。外壁の修繕や防水処置などスタンドの改修をはじめ、68台の監視カメラの更新や総合案内所、クラブハウスなどを修繕する。

 多言語表記については「2002年の日韓ワールドカップの際に日本語、英語、韓国語、中国語の表記には対応させたが、それをどのように改修するかは今後の課題」(埼玉県都市整備部公園スタジアム課)とする。15年度の予算額は10億9186万円。

 一方、バスケットボールが開催される予定のさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)は、大型映像装置や外壁の改修など、大規模な工事に取り組む。

 隣接する「けやきひろば」では起伏・段差を解消するバリアフリー化を図るほか、火災報知設備の改修、トイレのブース増設などを実施する。同アリーナの14年度の稼働率は83・3%で、336万人を動員。だが、イベントの際にトイレに長い行列ができるのが課題だった。

 アリーナ部分は16年2月中旬から5月中旬、けやきひろばは同年1月中旬から8月下旬にかけて休館し、工事を行う。予算は12億2305万円。県都市整備部都市整備政策課は「県の中核施設としてふさわしい魅力のある施設にしていく。ハードに特化することなく、ソフトも含めて魅力あるイベントを企画していきたい」と話す。

 五輪開催時には外国人観光客がさらに増えることが予想され、多言語表記やバリアフリーの徹底などハード面の整備が重要となる。加えて、さまざまな言語に対応できるスタッフの育成など、ソフト面で一層の“おもてなし”の拡充が求められる。
日刊工業新聞2015年06月03日 列島面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 記事で紹介したサッカーとバスケのほかに、ゴルフ(霞ケ関カンツリー倶楽部)、射撃(陸上自衛隊朝霞訓練場)も埼玉県内で行われる予定。大会本番だけでなく、直前合宿などにも県内の施設が使われることが想定され、改修需要が広がっていきそうです。

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