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トミカ「プラレール」に学ぶビジネスモデル

変わるものと変わらぬもの
 タカラトミーマーケティング(東京都中央区)は、直営店「プラレールショップ東京店」の運営を手がける。2011年5月にオープンした同店は、JR東京駅八重洲口にある商業施設「東京駅一番街」内の東京キャラクターストリートに立地。隣にはタカラトミーのミニカー「トミカ」を販売する直営店「トミカショップ東京店」がある。

 出店はトミカショップ東京店が6年ほど早かった。買場開発部店舗運営課の安野華英係長は「当時、お客さまから『プラレールを扱った店はありませんか』という問い合わせが寄せられたことで開店した」と振り返る。自動車のトミカ、鉄道のプラレールと乗り物の違いはあるが、子どもだけでなく、2商品を基に街づくりを楽しむ大人のファンもいるそうだ。「二つのショップを隣接して出店した効果は大きい」(安野係長)とみる。

 プラレールショップ東京店は3―6歳の男の子と、その両親の来店を想定。店舗正面にあるジオラマの高さは子どもの視線に合わせている。「お子さんがジオラマに張り付いて見入っている様子をよく見かける」(同)とされ、集客に一役買っている。

 また、プラレールは誕生した59年以来、レールの規格が変わっていないことから、親子代々受け継がれることも少なくない。仕事帰りの会社員や孫に買い与えるシニア層が数多く来店する。
 プラレールショップの魅力は何と言っても品ぞろえの多さだ。プラレール商品のほか、ライセンスを供与されたメーカーが製造した子ども向けの靴や帽子、バッグも販売する。売り上げはプラレール商品とライセンス商品でほぼ同じという。

 「玩具店だと商品展開に限りがある。プラレールショップに来店したお客さまが『こんな車両があるのか』と驚かれることが多い」(同)と明かす。プラレールショップ限定の「E233系京葉線(消費税抜き価格2200円)」「200系新幹線F5編成(同)」といった人気商品もある。

 プラレールショップは東京店のほか、「東京スカイツリータウン・ソラマチ店」(東京都墨田区)と大丸梅田店(大阪市北区)に入居する「大阪店」の計3店舗で展開している。21日には「トミカショップ吉祥寺店」(東京都武蔵野市)内にプラレールコーナーを設ける。今年でプラレールは誕生から55周年を迎えることから、4月以降に各店でキャンぺーンを順次展開する予定だ。
 
日刊工業新聞2014年03月07日 建設・エネルギー・生活・流通・サービス面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
文中にあるように規格を変えていないことの互換性の高さを維持しつつ、新商品を投入する。子どもと一緒に遊んでいるうちに懐かしくて、ハマっちゃう大人も多いみたいですね。

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