がんの局所治療に道、細胞核へ目的物質の取り込み
東大が技術開発
東京大学大学院工学系研究科の大黒耕助教と相田卓三教授らは、光応答性分子を利用することにより、目的の物質を細胞核に取り込ませる技術を開発した。たんぱく質などの遺伝子発現因子を投与して、光を当てた細胞にだけ作用させることが可能になる。この技術を発展させれば、がん細胞など疾患の原因になる細胞だけを攻撃したり、がんに栄養供給する細胞のみを不活化するなど、細胞ごとへの局所的な治療の応用が考えられる。
アミノ酸の一種であるグアニジンを九つの末端につけた樹状高分子を光応答性分子に利用した。
細胞の中に取り込まれた後、光を当てると保護基が外れ、グアニジンがむき出しになる。グアニジンが細胞膜と多点結合するなどして細胞核へ取り込まれると考えられる。
直径20ナノメートル(ナノは10億分の1)の量子ドットに光応答分子を付けて実験したところ、細胞核の中に量子ドットが入り込むことを確認した。
量子ドットの代わりに遺伝子発現因子などを導入すれば、目的の細胞だけに作用させられる可能性がある。光を当てなければ細胞内で分解されるか、排出される。
光応答機能には波長700ナノメートルの近赤外光を利用、体表から数センチメートルの深さまで届くという。
アミノ酸の一種であるグアニジンを九つの末端につけた樹状高分子を光応答性分子に利用した。
細胞の中に取り込まれた後、光を当てると保護基が外れ、グアニジンがむき出しになる。グアニジンが細胞膜と多点結合するなどして細胞核へ取り込まれると考えられる。
直径20ナノメートル(ナノは10億分の1)の量子ドットに光応答分子を付けて実験したところ、細胞核の中に量子ドットが入り込むことを確認した。
量子ドットの代わりに遺伝子発現因子などを導入すれば、目的の細胞だけに作用させられる可能性がある。光を当てなければ細胞内で分解されるか、排出される。
光応答機能には波長700ナノメートルの近赤外光を利用、体表から数センチメートルの深さまで届くという。
日刊工業新聞2017年3月9日