「しぼりたて生しょうゆ」の売上げを伸ばすのは綾瀬はるか?卓上ボトル?
キッコーマン、初めて100億円突破。単価アップ成功の秘密とは
キッコーマン食品(東京都港区、堀切功章社長)は21日、主力商品「いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ」の新しい広告キャラクターに、綾瀬はるかさんを起用すると発表した。22日から手巻きずしに生しょうゆをつけて食べるテレビコマーシャルを放映する。
しぼりたて生しょうゆシリーズは合計12品目あり、年間売上高が2016年に初めて100億円を突破した。非加熱処理による鮮やかな色とサラリとした味、酸化を防ぐ密封容器で開栓後もしょうゆの香りが保てるのが特徴だ。
田嶋康正執行役員は、綾瀬さんを起用した狙いについて「しょうゆユーザーを若い人たちに広げたい」と語った。
通常のペットボトルと違い、開栓後も新鮮な味や香りを長く保てる、キッコーマン食品(東京都港区、堀切功章社長)の「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」。2011年8月に卓上ボトルを発売し、使いやすさや味が受けて短期間で急成長。売上高は16年に前年比約2割増の100億円以上と、初めて100億円台に乗せた。田嶋康正執行役員にヒットの秘訣(ひけつ)や開発の背景、今後の戦略を聞いた。
―開発のきっかけは。
「核家族化などによる世帯人数の減少、調理・外食の動きなどで家庭で使われるしょうゆの量がどんどん減っていった。しょうゆメーカーとして、何とかしなければならないと思った。もう一つの問題は店頭の価格下落だ。特売で1リットルペットボトルが178円などで売られる事態となり、単価アップと利益率改善が急務になった。それには高付加価値商品の開発しかない」
―それで、しぼりたて生しょうゆを発売した。
「生しょうゆは現在もスーパー店頭で、200ミリリットルが200円強の価格で売られている。1リットルペットボトル入りは特売だと180円前後なので、単価にすると大変な差だ。加えて客層も異なる。1リットルペットボトルの利用者は60―70代の高齢層が主力だが、生しょうゆは30―40代が主力になっている」
―開栓後も味や香りが保てる商品特徴は知られていますが、10年にはパウチ袋入りの同様コンセプトの商品を出していました。
「パウチ袋だと中身が減ってきた時にテーブルにうまく立たなくてこぼれやすいし、扱いも面倒。家庭で使うしょうゆの量が減っているため、500ミリリットルでも多すぎるとの声もあった。卓上ボトルでは量も200ミリリットルにした」
―それで売り上げが増えた。
「生しょうゆは開栓後も常温保存できるが、実際には冷蔵庫に入れる消費者が多い。200ミリリットルだと庫内で場所をとらない長所もある。オリジナル以外に減塩、さしみしょうゆなどと品ぞろえを増やしたが、小容量なので試し買いを誘発できる副次的効果もあった。注いだ時にしょうゆが飛び散らないようにするなど、きめ細かい容器改良も加えている」
―今後の展開や課題は。
「売り上げ面では高齢化で、減塩しょうゆが通常しょうゆを上回る勢いで伸びている。現在も減塩商品を販売中だが、味により改良を加えていく。エリア別対応や健康機能性の対応も強化する。米国やアジア諸国にも輸出を始めた。国内の野田工場と高砂工場で生産しているが年2割増の勢いで伸びており、設備投資で能力増強を図る」
(聞き手=嶋田歩)
しぼりたて生しょうゆシリーズは合計12品目あり、年間売上高が2016年に初めて100億円を突破した。非加熱処理による鮮やかな色とサラリとした味、酸化を防ぐ密封容器で開栓後もしょうゆの香りが保てるのが特徴だ。
田嶋康正執行役員は、綾瀬さんを起用した狙いについて「しょうゆユーザーを若い人たちに広げたい」と語った。
「きめ細かい容器改良も加えている」
通常のペットボトルと違い、開栓後も新鮮な味や香りを長く保てる、キッコーマン食品(東京都港区、堀切功章社長)の「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」。2011年8月に卓上ボトルを発売し、使いやすさや味が受けて短期間で急成長。売上高は16年に前年比約2割増の100億円以上と、初めて100億円台に乗せた。田嶋康正執行役員にヒットの秘訣(ひけつ)や開発の背景、今後の戦略を聞いた。
―開発のきっかけは。
「核家族化などによる世帯人数の減少、調理・外食の動きなどで家庭で使われるしょうゆの量がどんどん減っていった。しょうゆメーカーとして、何とかしなければならないと思った。もう一つの問題は店頭の価格下落だ。特売で1リットルペットボトルが178円などで売られる事態となり、単価アップと利益率改善が急務になった。それには高付加価値商品の開発しかない」
―それで、しぼりたて生しょうゆを発売した。
「生しょうゆは現在もスーパー店頭で、200ミリリットルが200円強の価格で売られている。1リットルペットボトル入りは特売だと180円前後なので、単価にすると大変な差だ。加えて客層も異なる。1リットルペットボトルの利用者は60―70代の高齢層が主力だが、生しょうゆは30―40代が主力になっている」
―開栓後も味や香りが保てる商品特徴は知られていますが、10年にはパウチ袋入りの同様コンセプトの商品を出していました。
「パウチ袋だと中身が減ってきた時にテーブルにうまく立たなくてこぼれやすいし、扱いも面倒。家庭で使うしょうゆの量が減っているため、500ミリリットルでも多すぎるとの声もあった。卓上ボトルでは量も200ミリリットルにした」
―それで売り上げが増えた。
「生しょうゆは開栓後も常温保存できるが、実際には冷蔵庫に入れる消費者が多い。200ミリリットルだと庫内で場所をとらない長所もある。オリジナル以外に減塩、さしみしょうゆなどと品ぞろえを増やしたが、小容量なので試し買いを誘発できる副次的効果もあった。注いだ時にしょうゆが飛び散らないようにするなど、きめ細かい容器改良も加えている」
―今後の展開や課題は。
「売り上げ面では高齢化で、減塩しょうゆが通常しょうゆを上回る勢いで伸びている。現在も減塩商品を販売中だが、味により改良を加えていく。エリア別対応や健康機能性の対応も強化する。米国やアジア諸国にも輸出を始めた。国内の野田工場と高砂工場で生産しているが年2割増の勢いで伸びており、設備投資で能力増強を図る」
(聞き手=嶋田歩)