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東芝、搬送作業は支援します!アシストスーツ参入へ

膝の動き検知し負担軽減、安全性の国際認証を取得
東芝、搬送作業は支援します!アシストスーツ参入へ

物流や建築、製造業などでの採用を見込んでいる(試作品のアシストスーツ)

 東芝は早ければ年内にもアシストスーツに参入する。荷物を揚げ降ろしする際の膝の動きをサポートするもので、厚生労働省の指針にのっとった、腰を曲げず荷物を扱う動きに対応した。今後試作品をユーザーに提供し性能を磨き上げる。東芝は物流や工場施設の自動化システムを扱う。パレットへの荷物移動など自動化が難しい作業が残っており、ロボット技術で作業者の負担を減らしたい考えだ。

 一般的なアシストスーツは腰の支援が多く、膝のサポートは珍しい。価格は未定だが、既存のアシストスーツと同等程度、100万円から200万円を想定する。

 試作品「ExPAS」をベースにユーザーと仕様を固めていく。試作品は左右の脚部にDCモーターを備える。腰と太もも、足で固定する。重量は12キログラムながら骨格が足元に伸びていて重さを吸収し負担は少ない。

 角度センサーで膝の動きを検出。膝に力がかかると追従してアシストする。「電動アシスト自転車と同じようなサポートの仕方」(東芝)だという。現状は脱着しやすいよう肩にもベルトを装着する。

 安全性を重視し、現状は15キログラム相当の力でアシストする。力は利用法や安全基準により変更可能だ。スライド機構などを備え、ねじる動きなど人間の作業の妨げにならないよう工夫した。いまはフル充電で1000回の膝の曲げ伸ばしができる。電池はカートリッジ式で交換しやすい。

 設計試作段階でロボットの安全性に関する国際規格「ISO13482」を取得済み。物流や建築、製造業など幅広い分野での採用を見込む。すでにグループ会社での試験運用が決まっているほか、一般企業での実証実験も近く始める。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
東芝はこういう規模は小さいが気が利いた事業や技術がたくさんある。半導体を完全に切り離して、「2ー3兆円」程度の総合電機として再スタートするのも悪くない。

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