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日産「セレナ」の多彩なシートアレンジを支える機構部品の進化

「車体の統合や調達の一本化が進むと失注リスクも大きい」(富士機工社長)
日産「セレナ」の多彩なシートアレンジを支える機構部品の進化

セレナの公式ページより

**富士機工・村瀬昇社長インタビュー
 ―自動車業界の現状をどう見ていますか。
 「変化のスピードが格段に早まってきた。電動化や自動運転などトレンドは決まったが、どういうスパンで動くか。当社はシート機構部品、ステアリングコラム、シフターが3本柱。どの部品がいつ影響を受けるのか。見極めながら対策を講じる必要がある」

 ―取引先の日産自動車三菱自動車を傘下に入れるなど業界再編の影響は。
 「自動車メーカーの考え方も変わってきた。車体の統合や調達の一本化が進むと、受注できた時はいいが失注のリスクも大きい。勝ち組になるにはどうすればいいか、考え抜かなければならない」

 ―各事業の技術開発のポイントは。
 「シート機構部品は小型・軽量化に加え高強度、シートアレンジへの対応がカギ。日産『セレナ』向けでは機構部品とフレームの一体開発による高付加価値化に取り組んだ。コラムは安全、高性能、低コストを追求する。シフターは電子制御のバイワイヤ化への対応だ。すでに技術は確立したが、採用の動きが想定より遅い」

 ―17年の市場の見通しと戦略を。
 「トランプ大統領の就任で米国市場は良い方向に向かうと思うが、メキシコはどうなるか。北米でのコラムの生産を計画するが、メキシコか米国内か、自動車メーカーの動きを注視して決める。欧州市場は堅調で新規部品も受注できた。時代の変化に対応し、信頼される企業を目指す」
(聞き手=日刊工業新聞浜松支局・田中弥生)
村瀬社長
日刊工業新聞2017年2月14日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
海外経験豊富な村瀬社長は広い視野で業界の動きを見通す。その分、自動運転や電動化に直接、関わらないメカ部品が主力であることへの危機感は強い。数年来、取り組んできた品質問題はあと一息。約20拠点あるグローバル生産拠点のオペレーションの高度化も課題だ。 (日刊工業新聞浜松支局・田中弥生)

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