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取材1時間、会食3時間、ゴルフ6時間の意義

安倍さんはクラブではなく、しっぽを振ってしまうのか?
取材1時間、会食3時間、ゴルフ6時間の意義

トランプ公式Twitterより

 若手記者の頃、先輩からこんなアドバイスを受けた。「取材の時間はせいぜい1時間。会食しても2、3時間。それに引き換えゴルフを一緒にすれば短くても6時間は人となりを観察できる。そんなチャンスはめったにない。逃す手はない」。

 こうして始めたゴルフ。取材先の方とラウンドする機会も何度かあったが「プレーに人柄が出る」とはよく言ったものだ。楽しみながら実に多くを学んだ。

 ショットやパットのたびに慎重になる人は仕事ぶりも堅実で、石橋をたたいて渡る経営者だった。自分が打ったら先に歩き出す自分勝手な人は「他人の意見を聞かない」と評判で、社内クーデターにあって失脚した。

 あるゴルフ関係者は「テレビで流れたフォームを見る限り、トランプ大統領の方が安倍晋三首相より上手そうだ」という。体格に勝る大統領がナイスショットをすれば、首相をはるかにオーバードライブしそうだ。

 「ランチよりゴルフの方が親密になれる」という大統領の一声で決まったフロリダでのゴルフ外交。首相が大勝して、大統領に「恐れ入りました」と言わせるのは難しいかもしれない。安倍首相がクラブではなく、しっぽを振っているような印象を内外に与えないことを祈りたい。
日刊工業新聞2017年2月10日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ゴルフ会談が終了しました。1ラウンドした後、さらに別のコースへ移動して何ホールか楽しんだようだ。今回の一連の首脳会談、二人の相性がよさそうなのは分かったが、トランプ大統領のあまりの歓待ぶりがかって不気味に感じる。

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