ペットとずっといられる宿!宴会場や庭園をペット向けに改装
変化する旅のニーズ(下)
日本航空(JAL)とイオングループのイオンペットが開催した「ワンワンJET」。終始賑やかな雰囲気だったチャーター便を降り、鹿児島空港に着くと、各自レンタカーで移動する。現地では3日間、自由行動となる。
ツアーの宿泊先は、薩摩川内市にある「ドッグリゾート鹿児島 CoCoフォレいむた」か、霧島市の「霧島観光ホテル」の2軒から選ぶ。
「霧島観光ホテル」では、宴会場だった部分を改装し、2015年5月に独立型のペット専用客室「D+PREMIUM」を設け、ペットの受け入れを始めた。鹿児島県内にはペットと一緒に泊まれる宿泊施設が少なく、「D+PREMIUM」を稼働する前は、車の中にペットを入れたままにして、宿泊する客もいたという。
「D+PREMIUM」は4室で、他の客室とは完全に分かれており、食事も部屋で取れる。室内には専用の露天風呂もあり、ペットの浴槽まである徹底ぶりだ。価格は2名1室、1人2万円~と、少々高いが、気兼ねなく、ゆっくりペットと温泉を楽しめるので、愛犬家としては嬉しい作りだ。
霧島観光ホテルでは、「D+PREMIUM」の稼働率が堅調だったこともあり、さらに客室の一部を改装。2016年10月から「Kiri Dog」をオープンした。「Kiri Dog」は全8室で、客室の6階部分を1フロアまるごとペット向けの客室にした。これに伴い、売店とゲームコーナーを改装して、一般のロビーとは別に、ペット専用のロビーも設置。専用フロアへの動線は、一般客と全く別になるため、こちらも周囲への気遣いが要らず、ペット連れには非常にありがたい。
「Kiri Dog」は、「D+PREMIUM」と価格帯が違うというのが特徴。「D+PREMIUM」よりもリーズナブルに、旅を楽しめるというコンセプトなので、食事はペットフロア専用レストラン「MISTY DOG」でとる。「MISTY DOG」はペット向けのメニューも充実しており、夕食では、メインディッシュを鹿肉ハンバーグ、魚のお焼き、鶏肉の重ね蒸しから選べて、価格は1080~2700円。人間が見ても、かなりおいしそうで、一見すると、ペット向けには見えないクオリティーだ。愛犬もかなり食べたそうにしていたが、撮影用ということで、我慢させるのが大変だった。
レストランは席に座らせてもよいし、バギーなどに乗せて食べさせることもできる。ペットと宿泊できる宿泊施設は数あれど、一緒に食事ができるとなるとそう多くはない。これまでいろいろなペットOKの宿に泊まったが、ここからは人間だけ、というポイントが多く、窮屈に感じることが多い。霧島観光ホテルは、ペットとずっと一緒に居られる設計になっており、あちこちに愛犬家への気遣いが感じられた。
霧島観光ホテルにはドッグランが二つあり、そのうちの一つは、足湯やちょっとしたアジリティもあるなど、かなり広く、設備も非常に充実していた。広いドッグランを作るため、庭園を改装したという。庭園は春になると桜が咲くなど、ホテルの自慢の一つだったため、改装にはホテル内でも異論があったそうだが、部屋数を増やすには、設備を拡充する必要があり、改装に踏み切った。宿泊販売課の今園邦彦さんは「今は、わんちゃんがのびのび走っているのを見ると、これでよかったと思える」と話していた。
霧島観光ホテルは鹿児島県内では先行してペット向けに改装を実施し、県内ではまだまだ数少ないペットOKの宿泊施設となった。霧島温泉一帯では、ペット向けの施設は霧島観光ホテルのみだ。JALでは行き先を決めるにあたり、宿泊施設の設備を比較検討する中で、霧島観光ホテルの施設の充実ぶりが決め手の一つとなり、鹿児島県にしたという背景がある。ペット向けの客室や設備は、もともと宴会場や庭園で、霧島観光ホテルのこうした設備の改装は、旅行が団体から個人に移行し、ニーズが多様化しているということの表れとも言えそうだ。
ここまで至れり尽くせりの旅を、何度も開催するのは難しいかもしれないが、同様のツアーは、全日本空輸(ANA)でも2016年5月に開催している。多くの人が、同じ目的で同じ行き先に向かう時代が終わりを告げ、旅の目的が個々の楽しみをいかに見いだすかということにシフトしている。旅行会社や航空会社にとっては、ペットに限らず、「客のわがまま」をいかにくみ取り、かゆいところに手が届くサービスを打ち出せるかが、カギを握ることになりそうだ。
ツアーの宿泊先は、薩摩川内市にある「ドッグリゾート鹿児島 CoCoフォレいむた」か、霧島市の「霧島観光ホテル」の2軒から選ぶ。
「霧島観光ホテル」では、宴会場だった部分を改装し、2015年5月に独立型のペット専用客室「D+PREMIUM」を設け、ペットの受け入れを始めた。鹿児島県内にはペットと一緒に泊まれる宿泊施設が少なく、「D+PREMIUM」を稼働する前は、車の中にペットを入れたままにして、宿泊する客もいたという。
「D+PREMIUM」は4室で、他の客室とは完全に分かれており、食事も部屋で取れる。室内には専用の露天風呂もあり、ペットの浴槽まである徹底ぶりだ。価格は2名1室、1人2万円~と、少々高いが、気兼ねなく、ゆっくりペットと温泉を楽しめるので、愛犬家としては嬉しい作りだ。
霧島観光ホテルでは、「D+PREMIUM」の稼働率が堅調だったこともあり、さらに客室の一部を改装。2016年10月から「Kiri Dog」をオープンした。「Kiri Dog」は全8室で、客室の6階部分を1フロアまるごとペット向けの客室にした。これに伴い、売店とゲームコーナーを改装して、一般のロビーとは別に、ペット専用のロビーも設置。専用フロアへの動線は、一般客と全く別になるため、こちらも周囲への気遣いが要らず、ペット連れには非常にありがたい。
「Kiri Dog」は、「D+PREMIUM」と価格帯が違うというのが特徴。「D+PREMIUM」よりもリーズナブルに、旅を楽しめるというコンセプトなので、食事はペットフロア専用レストラン「MISTY DOG」でとる。「MISTY DOG」はペット向けのメニューも充実しており、夕食では、メインディッシュを鹿肉ハンバーグ、魚のお焼き、鶏肉の重ね蒸しから選べて、価格は1080~2700円。人間が見ても、かなりおいしそうで、一見すると、ペット向けには見えないクオリティーだ。愛犬もかなり食べたそうにしていたが、撮影用ということで、我慢させるのが大変だった。
レストランは席に座らせてもよいし、バギーなどに乗せて食べさせることもできる。ペットと宿泊できる宿泊施設は数あれど、一緒に食事ができるとなるとそう多くはない。これまでいろいろなペットOKの宿に泊まったが、ここからは人間だけ、というポイントが多く、窮屈に感じることが多い。霧島観光ホテルは、ペットとずっと一緒に居られる設計になっており、あちこちに愛犬家への気遣いが感じられた。
霧島観光ホテルにはドッグランが二つあり、そのうちの一つは、足湯やちょっとしたアジリティもあるなど、かなり広く、設備も非常に充実していた。広いドッグランを作るため、庭園を改装したという。庭園は春になると桜が咲くなど、ホテルの自慢の一つだったため、改装にはホテル内でも異論があったそうだが、部屋数を増やすには、設備を拡充する必要があり、改装に踏み切った。宿泊販売課の今園邦彦さんは「今は、わんちゃんがのびのび走っているのを見ると、これでよかったと思える」と話していた。
霧島観光ホテルは鹿児島県内では先行してペット向けに改装を実施し、県内ではまだまだ数少ないペットOKの宿泊施設となった。霧島温泉一帯では、ペット向けの施設は霧島観光ホテルのみだ。JALでは行き先を決めるにあたり、宿泊施設の設備を比較検討する中で、霧島観光ホテルの施設の充実ぶりが決め手の一つとなり、鹿児島県にしたという背景がある。ペット向けの客室や設備は、もともと宴会場や庭園で、霧島観光ホテルのこうした設備の改装は、旅行が団体から個人に移行し、ニーズが多様化しているということの表れとも言えそうだ。
ここまで至れり尽くせりの旅を、何度も開催するのは難しいかもしれないが、同様のツアーは、全日本空輸(ANA)でも2016年5月に開催している。多くの人が、同じ目的で同じ行き先に向かう時代が終わりを告げ、旅の目的が個々の楽しみをいかに見いだすかということにシフトしている。旅行会社や航空会社にとっては、ペットに限らず、「客のわがまま」をいかにくみ取り、かゆいところに手が届くサービスを打ち出せるかが、カギを握ることになりそうだ。
ニュースイッチオリジナル