日産の国内販売、全方位で2位になることは求めない

EVは当然、「軽」で確固たる地位を目指す

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ノートとセレナがけん引する
 「経済情勢は不透明だが、日産の国内販売は盛り返している」。1月下旬、横浜市の日産自動車本社で開いた取引先との懇親会で共同最高経営責任者(CEO)の西川廣人はこう話した。

 新駆動技術「eパワー」を搭載した小型車「ノート」と、自動運転技術「プロパイロット」を搭載したミニバン「セレナ」が牽引(けんいん)役となり、12月と1月の月間販売台数はトヨタ自動車、ホンダに次ぐ3位につけた。

 しばらく5位に甘んじていたが「eパワーを試乗した客の反応がいい」(販売店)と販売現場にも活気が戻りつつある。新車投入が少なかった間、店舗の刷新や女性客が入りやすい体制を整えてきた。「手を打った店舗の来店数は明らかに伸びている」と専務執行役員の星野朝子は話す。地道に続けた足場固めが好調な販売を支える。

 「消費行動が変わっている。車メーカーもお客さまがいる場所に出て行かなくてはいけない」と星野。昨秋オープンした商業施設「ららぽーと湘南平塚」(神奈川県平塚市)に出店した。日産が大型商業施設にテナント出店するのは初の試みだ。

 新型車を展示した店内には買い物客が流れ込み、来店数は想定を大幅に超えるという。購入意欲がある顧客を割り出して、どう販売につなげるかのノウハウをためている。顧客との接点拡大を重視する星野は、次のアプローチとしてレンタカー会社との協業を模索する。

 シェア争いが2―5位の団子状態が続く中で、日産は「確固たる2位」を目指すと公言してきた。星野は「全方位で2位になるのではなく特定の領域に絞って1位になる。結果2位になる」と話す。

 今特定領域に位置付けているのは電気自動車(EV)や自動運転技術。性能向上や商品群を拡充し先行する考えだ。

 「軽はこれからも重要なセグメント」とも星野は話す。昨春、三菱自動車から供給を受ける軽自動車で燃費不正が発覚し、販売を一時停止した。再開後も伸び悩む。

 「一部改良で競争力を手当てし販売を回復する。ゆくゆくは日産が開発する全面改良モデルで戦えるようにする」(星野)と仕切り直して軽市場に臨む。確固たる2位には軽の立て直しも求められる。
(敬称略)

日刊工業新聞2017年2月6日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

日産はこの20年近く、「ゴーン」が最大のブランドだった。経営者の個性が大事だが、肝心のクルマの個性が失われたのも確か。eパワーは久しぶりにブランドイメージを高める可能性のある商材。軽を含めた日産全体に波及させることがマストだろう。

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