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新しい経団連副会長、異例だが想定された人事

トヨタ専務や三菱電機会長、建設業界から初
新しい経団連副会長、異例だが想定された人事

三菱電機の山西会長(左)とトヨタの早川専務

 経団連は6日、会長・副会長会議を開き、新任の副会長4人を内定した。大成建設の山内隆司会長(70)、新日鉄住金の進藤孝生社長(67)、三菱電機の山西健一郎会長(65)、トヨタ自動車の早川茂取締役専務役員(63)の4人が5月31日に開く定時総会で正式に就任する。

 「日本の重要課題は成長戦略。それを推進できる企業」。経団連の榊原定征会長は6日の定例会見で、副会長の陣容をこう評価し、第4次産業革命「ソサエティー5・0」をさらに推進する考えを示した。

 新日鉄住金とトヨタ自動車は、過去に経団連会長を輩出しており、副会長職の常連企業。これまで大手メーカーや金融機関、商社のトップが就くことが多かった副会長を建設業界から輩出するのは初めて。

 「一方、不起訴処分となったものの、社員に長時間労働をさせたとして労働基準法違反で書類送検された三菱電機から選出したことについて、榊原会長は「副会長就任を機に働き方改革で経済界をリードする活躍を期待したい」と述べた。

 現副会長の新日鉄住金の友野宏相談役(71)、トヨタ自動車の内山田竹志会長(70)は退任する。これにより16人いる副会長は18人に増員される。

 また、トヨタ自動車は6日、早川取締役専務役員が4月1日付で、同社の副会長に就任する人事を発表した。トヨタとしては4年ぶりの副会長職復活で、副社長や社長を経ず副会長に昇格するのは初めてとなる。

 経団連にとっても就任段階で会長・社長ではない経営者が副会長に就任するのは異例だ。過去には当時、副会長だったトヨタの内山田氏、同じく副会長だった第一生命保険の斎藤勝利氏、副社長だった東京電力の清水正孝氏がいる。

「社長との兼任、現実的に困難」(トヨタ社長)


 トヨタ自動車の豊田章男社長は早川茂取締役専務役員(4月1日付で副会長に就任)が次期経団連副会長に就任することについて「本来であれば私がお受けすべきだと認識している」とした上で、「経営を取り巻く環境が激変し、これまでの常識を超えた変革が求められる今、社長業との二足のわらじを履くことは現実的に困難だと判断し今回の決断に至った」とのコメントを公表した。
日刊工業新聞2017年2月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
今の財界(経団連)は人材難である。トヨタの豊田章男社長は早くから職に就かないことははっきりしていた。副社長クラスがトヨタの副会長になって経団連も、というのが順当と見られていたが早川専務に。早川さんは広報担当を長く務めており、本ポストは適任かもしれない。三菱電機も労働基準法違反で書類送検されるという問題はあったが、候補企業の一つとみられてきた。「電機業界枠」でいえば、かつてなら東芝やパナソニックがなってしかるべきだが、東芝はそれどころではなく、パナソニックの津賀社長も財界活動には興味がない。三菱グループのメーカーでは、三菱重工がすでに経団連副会長ポストに就いているが、MRJや大型客船など自社の改革で四苦八苦している。三菱電機の就任に嫌な顔はできないだろう。 来年、交代する経団連会長のポスト。下馬評では日立の中西会長が最有力と言われているが、さてどうなるか。

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