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設備投資を読む!かつての主役「半導体」と絶好調「電子部品」、渦中の「液晶」は?

半導体は得意分野に集中、電子部品は大手6社で37%増。液晶はJDIとシャープが6倍の差
設備投資を読む!かつての主役「半導体」と絶好調「電子部品」、渦中の「液晶」は?

ソニーは画像センサーの生産能力を増強する(山形テクノロジーセンター)

 半導体メーカーは得意分野をより強くするための投資を実施。ソニーは14年度比4・1倍の2900億円を投じる。このうち2100億円を業界シェアトップの画像センサーに充て、16年9月末までに月産能力(300ミリメートルウエハー換算)を現在比45%増の8万7000枚に引き上げる。「イレギュラーな大型投資」(吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者)に踏み切り、画像センサーのライバルを突き放しにかかる。

 東芝は不適切会計問題の影響で、決算関連情報を開示していないが、NAND型フラッシュメモリーの微細化と生産能力増強を目的に、15年度も14年度計画並の2000億円規模の投資を実施する公算が大きい。

 ルネサスエレクトロニクスは15年度通期の設備投資計画を公表していないが、「14年度ほど構造改革のための投資は出ない。競争力向上のための投資が中心になる」(広報担当者)見通し。

 液晶パネル分野ではジャパンディスプレイ(JDI)シャープの投資規模での差が大きく開く。JDIは米アップルの要請を受け、石川県白山市で新工場の建設に取りかかっており、アップルからの資金提供分を含め同93・7%増の約2100億円を投じる。一方、シャープは同13・6%増の363億円に留まる。

 電子部品大手6社は全社が投資額を大幅に積み増す計画で、16年3月期は前期比36・6%増の5444億円を見込む。旺盛な需要が続く米アップルや中国スマホ向けの部品や電装化で成長が見込める車載向け部品の設備取得に充てる。

 スマホ向けは中国市場を中心に高速通信「LTE」対応スマホが一段と普及し、日系勢が得意とする高機能部品の需要が拡大。村田製作所は前期比48・2%増の1500億円と過去最大の設備投資を計画する。設備取得等で積層セラミックコンデンサー(MLCC)は10%、表面弾性波(SAW)フィルターは30%など生産能力を高める。

 TDKも同26・8%増の1300億円と2年連続で1000億円を超える投資を実行する方針で、SAWフィルターなどの増産投資や秋田県内に新設する工場の建設費用などに充てる。このほか京セラが同23・5%増の700億円、アルプス電気が同51%増の474億円を計画する。

 車載事業を重点分野に位置づけるロームも同54%増の750億円とし、車載向け半導体などの設備投資を積極化。日本電産も前期比27%増の720億円と前期に続いての増額を見込む。

※日刊工業新聞では業界別に「点検・設備投資」を掲載中
日刊工業新聞2015年05月27日「点検・設備投資」から一部抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
大手電子部品メーカーの投資額がかなり大きな数字になってきていることに注目したい。半導体や液晶のようにどか~んと製造装置を入れるモデルではないので、各社を仔細にみていく必要がある。

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