パナソニック、ミラーレスで「業界のモルモット」からシェア拡大に挑む
カメラ政権交代へ、新たな需要掘り起こし
「最もいいカメラは一眼レフ」という常識に、ミラーレス一眼カメラが本気で挑み始めた。
パナソニックは2020年度にミラーレス一眼カメラの世界シェアを現行比7ポイント増の15%に引き上げる。高解像度「6K」の静止画を30連写できる旗艦モデルでブランドイメージを高め、プロ写真家の市場を開拓する。またエントリークラスにも「4K」の静止画を30連写できるモデルをそろえる。カメラ市場が縮小する中、ミラーレスは拡大が続く。カメラ各社は相次いで品ぞろえを拡充しており、競争が激しくなりそうだ。
パナソニックは高解像度の動画技術を強みに、静止画と動画の両方を撮影できるカメラの需要を開拓する。動画から1フレームの静止画を切り出す方法で高速連写するため、スポーツなどの決定的な瞬間を逃さずに撮影できる。
旗艦モデル「ルミックス GH5」は6K動画から静止画を切り出す「6Kフォト」機能を搭載し、大判プリントに対応する。映像制作に使える動画も撮影でき、プロ写真家への販売を本格化する。また、こうした技術を生かし、4Kフォトや自分を撮影する「自撮り」をしやすいエントリーモデル「ルミックス GF9」などを投入し販売数量を増やす。
同社では19―20年頃には、ミラーレスカメラの市場規模が一眼レフカメラを超えると予想する。一眼レフで高いシェアを持つキヤノンやニコンもミラーレスカメラの品ぞろえを強化しており、顧客の奪い合いが激しくなっている。
山根洋介イメージングネットワーク事業部長は、「いい意味で、業界のモルモットでありたい」と話す。提案するのは動画の可能性だ。GH5は、映像制作のフォーマットに対応した動画を作成でき、静止画にも動画技術を使う。
最高で高解像度「6K」の動画から1フレームを静止画として切り取る方法で連写するため、被写体を見失うことなく、決定的な瞬間を逃さない。ミラーレスが苦手とされていたスポーツシーンも得意だ。約1800万画素に相当する解像度で、大判プリントに対応できるようになった。これを機に、プロ写真家への販売に力を入れる。
4月から有償のプロ向けサポートプログラムを始めた。18年度には海外でも開始したい考えだ。
動画技術の強みは、マイクロフォーサーズサイズのイメージセンサーに裏打ちされている。フルサイズや中判サイズに比べ小さく、動きの速い被写体でも全体的にボケた映像になりにくい。それでいて、一般的な映像制作機器用のセンサーよりも大きい。「動画制作として、バランスの取れたサイズ」(山根事業部長)という。
技術的な進化に加え、先代モデル「GH4」で実感したプロ写真家のニーズの変化が、プロ市場への参入を後押しした。スマホで手軽に写真を撮れるようになり、プロ写真家にも動画などプラスαの強みが求められるようになってきた。このため、GH4は予想以上にプロから好評で、GH5はその意見を反映して作り込んだ。
同社のカメラブランド「ルミックス」は、登場して約15年ほどで、まだ歴史は浅い。山根事業部長は、「商品と販売の両方で、薄っぺらでない考えで作っていると伝えたい」と話す。
6Kの次は8Kを見据え、チャレンジを続ける。
パナソニックは2020年度にミラーレス一眼カメラの世界シェアを現行比7ポイント増の15%に引き上げる。高解像度「6K」の静止画を30連写できる旗艦モデルでブランドイメージを高め、プロ写真家の市場を開拓する。またエントリークラスにも「4K」の静止画を30連写できるモデルをそろえる。カメラ市場が縮小する中、ミラーレスは拡大が続く。カメラ各社は相次いで品ぞろえを拡充しており、競争が激しくなりそうだ。
パナソニックは高解像度の動画技術を強みに、静止画と動画の両方を撮影できるカメラの需要を開拓する。動画から1フレームの静止画を切り出す方法で高速連写するため、スポーツなどの決定的な瞬間を逃さずに撮影できる。
旗艦モデル「ルミックス GH5」は6K動画から静止画を切り出す「6Kフォト」機能を搭載し、大判プリントに対応する。映像制作に使える動画も撮影でき、プロ写真家への販売を本格化する。また、こうした技術を生かし、4Kフォトや自分を撮影する「自撮り」をしやすいエントリーモデル「ルミックス GF9」などを投入し販売数量を増やす。
同社では19―20年頃には、ミラーレスカメラの市場規模が一眼レフカメラを超えると予想する。一眼レフで高いシェアを持つキヤノンやニコンもミラーレスカメラの品ぞろえを強化しており、顧客の奪い合いが激しくなっている。
山根洋介イメージングネットワーク事業部長は、「いい意味で、業界のモルモットでありたい」と話す。提案するのは動画の可能性だ。GH5は、映像制作のフォーマットに対応した動画を作成でき、静止画にも動画技術を使う。
最高で高解像度「6K」の動画から1フレームを静止画として切り取る方法で連写するため、被写体を見失うことなく、決定的な瞬間を逃さない。ミラーレスが苦手とされていたスポーツシーンも得意だ。約1800万画素に相当する解像度で、大判プリントに対応できるようになった。これを機に、プロ写真家への販売に力を入れる。
4月から有償のプロ向けサポートプログラムを始めた。18年度には海外でも開始したい考えだ。
動画技術の強みは、マイクロフォーサーズサイズのイメージセンサーに裏打ちされている。フルサイズや中判サイズに比べ小さく、動きの速い被写体でも全体的にボケた映像になりにくい。それでいて、一般的な映像制作機器用のセンサーよりも大きい。「動画制作として、バランスの取れたサイズ」(山根事業部長)という。
技術的な進化に加え、先代モデル「GH4」で実感したプロ写真家のニーズの変化が、プロ市場への参入を後押しした。スマホで手軽に写真を撮れるようになり、プロ写真家にも動画などプラスαの強みが求められるようになってきた。このため、GH4は予想以上にプロから好評で、GH5はその意見を反映して作り込んだ。
同社のカメラブランド「ルミックス」は、登場して約15年ほどで、まだ歴史は浅い。山根事業部長は、「商品と販売の両方で、薄っぺらでない考えで作っていると伝えたい」と話す。
6Kの次は8Kを見据え、チャレンジを続ける。
日刊工業新聞2017年2月2日の記事を一部編集