農業白書で強く打ち出された「ロボット」は、生産・流通革新を生むか!?

農業を成長産業に。重労働から解放するアシストスーツ、省力化できる除草ロボットの可能性示す

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白書ではロボット技術などの導入によるスマート農業の重要性も指摘した
 政府は26日の閣議で、2014年度の農業白書を決定した。白書では農村人口の高齢化・減少が進む中、強い農業の創造に向けた構造改革の重要性を指摘。その上で、農地集積・集約化の取り組みのほか、企業の農業参入や女性農業者の活躍推進、生産・流通システムの革新を挙げた。企業参入では、農地リース所有を認めた09年の農地法改正以降、改正前の5倍となる1712法人が参入と指摘。生産・流通革新ではロボット技術やICT導入によるスマート農業が重要とした。
 
 白書では、農地集積について、農業を止めた農家から農地を借り受け、意欲のある農家や企業に貸し出す「農地中間管理機構(農地バンク)」の取り組みの重要性を強調。さらに農産物の生産動向では野菜で業務用需要が6割と過半を占める状況を挙げつつ、その3割が輸入だと指摘。国産化率を高めるために業務用野菜の生産を増やすことが必要だとした。
 
 果実も輸入の6割が果汁などの加工用と指摘、国内果実需要を掘り起こすために、消費者ニーズに対応した新品種への転換が重要だと述べた。
 
 一方、作業者の高齢化や新規就農者不足の中、農業を成長産業とするため、生産・流通革新が必要とし、そのためには農作業の省力化と大規模生産の実現が必要としている。具体例として、無人トラクターと有人トラクターの協調作業システムを目指す北海道大学などのグループを紹介。また、トヨタ自動車と農業IT管理ツールを開発し、分散した水田を少人数で管理する鍋八農産(愛知県弥富市)を紹介した。

 センシング技術と過去のデータ活用による精密農業、重労働から解放するアシストスーツ、省力化できる除草ロボットの可能性も示した。このほか、クラウドシステムで生産者の詳しい情報を消費者や実需者へダイレクトにつなげ、食の安全と信頼関係をつくることが農業者の所得向上にもつながるとしている。

日刊工業新聞2015年05月27日 2面

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明豊
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