親和的なメッセージを送り続けるトヨタに無反応なトランプ

インディアナ工場追加投資も、厳しい交渉が待ち控える?

  • 0
  • 1
ハイランダーを生産するインディアナ工場
 トヨタ自動車がトランプ米大統領の就任後、米国重視の姿勢を強調している。24日(米国時間)には、2019年秋に米インディアナ州にある車両工場に約6億ドル(約680億円)を投資し、約400人を新規雇用すると発表した。トランプ大統領は自動車業界に米国内での投資や雇用の拡大を強く求めている。トヨタは計画していた投資案件をタイミングよく公表するなど、アピールに力を注ぐ。

 インディアナ工場は年産能力を現在比4万台増の44万台に増強し、現地で需要が旺盛なスポーツ多目的車(SUV)「ハイランダー」の供給能力を上げる。合わせて設備更新なども行い工場全体の競争力を高める。同工場ではミニバン「シエナ」、SUV「セコイア」も生産しており、従業員は現在約5000人。

 インディアナ州は「(新政権の)一角にいて心強い」と豊田章男社長が期待を寄せるペンス副大統領がかつて知事を務めていた。今回の投資は9日に豊田社長が北米国際自動車ショーで公表した方針の具体策の一部。

 トランプ大統領は就任前の5日にメキシコで新工場を建設するトヨタを名指しで批判。24日にはゼネラル・モーターズ(GM)など米ビッグ3のトップと会談し、米国内での新工場建設を要求した。トヨタは今回の投資について「米国で持続的成長に取り組んでいく姿勢を象徴するもの」としている。

日刊工業新聞2017年1月26日

COMMENT

中西孝樹
ナカニシ自動車産業リサーチ
代表

トヨタは、デトロイトで今後5年間で100億ドルの米国投資、今回のインディアナ工場拡張投資・雇用増加と、立て続けに米国事業の持続的成長へコミットする姿勢を示し、トランプ新大統領政策への親和的なメッセージを送り続けている。Fordの決断には即時に感謝の反応を示し、ビッグ3とは親密な会話を持つトランプ大統領だが、トヨタや現代自動車のメッセージへは無反応が続く。これもトランプ流交渉術なのか。その先の貿易不均衡解消への交渉へ警戒心を抱かざるを得ない。厳しい交渉が待ち控えるのではないだろうか。

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる