神戸港は世界のクルーズ船が集う「選ばれる港」になれるか?

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昨年3月、神戸港に初入港した大型船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」
 開港150年目の節目を迎えた神戸港がクルーズ船誘致に力を入れている。高い集客力や充実したターミナル設備をアピール材料に、船会社、旅行代理店に提案型営業を展開。インセンティブ制度などさまざまな仕掛けも用意する。「選ばれる港」の目標に向け、一連の取り組みが成果を上げつつある。
 国土交通省は2020年の訪日クルーズ旅客数を、15年の約5倍に相当する500万人に増やす目標を掲げる。背景にあるのはアジアで急成長するクルーズ市場。神戸市はインバウンド(訪日外国人)を増やそうとさまざまなクルーズ船誘致策を進めている。

入港にインセンティブ制度も


 「神戸港を選ぶことが乗客の満足度を高め、あなたの会社の利益につながる」。神戸市みなと総局の担当者はこうした言葉で、船会社や旅行代理店にアピールする。“お願いセールス”とは一線を画し、神戸港の魅力を前面に押し出した提案型営業を続ける。

 初入港や5回以上入港した場合などに、1回につき50万円を支給するインセンティブ制度を15年度に新設。16年度は40回分の入港が対象になる見込みだ。

 神戸空港や関西国際空港とのアクセスのよさを生かし、神戸港発着のクルーズとセットで利用する「フライ&クルーズ」の促進にも力を入れている。さまざまな選択肢を用意し、クルーズ需要の掘り起こしを狙う。

 神戸港は集客力の高さが売りの一つ。観光資源が豊富な神戸だけでなく、京都や奈良、大阪、姫路など関西一円の都市にも行きやすい。二つの客船ターミナルは市街地に近く、税関などの諸手続きを行う設備が完備。16年には乗客定員約4000人の大型船が入港した際、スムーズに下船できた実績もある。

「クイーン・エリザベス」がクルーズを実施


 神戸港のクルーズ船の入港回数は16年が104回で国内5位。近年は外国船の入港回数が増える傾向にある。入港回数を伸ばしている博多、長崎、那覇の各港は中国からの乗客が多いのに対し、神戸港は欧米、アジア、国内から幅広く乗客を集めているのが特徴だ。

 一連の誘致策は成果を上げつつある。3月には世界的に著名な客船「クイーン・エリザベス」が神戸を起点に日本初の発着クルーズを実施する。神戸港に1泊2日以上停泊する高級船も増えてきた。

 17年、神戸港には外国船が過去最多の43回入港する予定。神戸市みなと総局の担当者は「今後、さらに多くの船から選ばれる港にしていきたい」と話す。
(文=神戸編集委員・村田光矢)

日刊工業新聞2017年1月24日

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昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

2016年のクルーズ船入港回数は1位 博多港328回、2位 長崎港197回、3位 那覇港193回、4位 横浜港128回となっています。中韓国に近い博多の強さがよくわかります。

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