MRJで再び波乱模様。どうなる三菱重工のマネジメント体制
現中計の最終年度にドメイン制を完成形に近づける狙いだが・・
20年以上にわたり、売上高3兆円の壁に阻まれてきた三菱重工業。宮永俊一社長(68)は過去の呪縛を断ち切ろうと事業規模5兆円を掲げ、改革と創造を繰り返してきた。その象徴と言えるのが事業ポートフォリオの組み替え、ドメイン制への移行だ。
宮永氏が社長に就任した2013年、九つの事業本部を4事業ドメインに再編。「米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスと対等に勝負できる真のグローバル企業へと変革する」(宮永社長)ための布石を打った。
改革の一方、大型客船での大規模損失やMRJ(三菱リージョナルジェット)の開発遅延など、宮永社長に難題が次々と降りかかる。このため、さらなる改革を決断。17年度から4事業ドメインを三つに再編する方針を示した。現中期経営計画の最終年度にドメイン制を完成形に近づけ、後進の道を地ならしする意志とも受け取れる。
日立製作所と火力発電装置事業を統合した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)を擁し、稼ぎ頭のエネルギー・環境ドメイン。4月の新体制ではここに航空機エンジンが加わる。宮永社長が「同部門はほぼ完成形」と評するように、けん引役を引き続き担う。
中核事業をかじ取りするのが、安藤健司副社長執行役員(64)。発電設備の主要製品であるガスタービンに精通し、同社の海外最大市場である米国法人の社長を兼務するなどグローバル経験も豊富。「次世代ガスタービンでGEなどとの競争が激化する中、安藤さんが適任と考えた」と宮永社長は説明する。安藤副社長は1月にMHPSの社長にも就任した。
名山理介常務執行役員最高技術責任者(CTO)(62)も、安藤副社長の前任として同ドメインのトップを経験。14年4月から1年半、グローバル事業推進本部で本部長を担いグローバル感覚も磨いた。後任について「今は何も考えていない」と宮永社長。
ただ全社売上高の4割近くを稼ぐエネルギー・環境事業での経験と世界で戦う胆力を備えた人物―。後継者選びを考えたとき、この二つの要素が持つ意味は大きい。
宮永氏が社長に就任した2013年、九つの事業本部を4事業ドメインに再編。「米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスと対等に勝負できる真のグローバル企業へと変革する」(宮永社長)ための布石を打った。
改革の一方、大型客船での大規模損失やMRJ(三菱リージョナルジェット)の開発遅延など、宮永社長に難題が次々と降りかかる。このため、さらなる改革を決断。17年度から4事業ドメインを三つに再編する方針を示した。現中期経営計画の最終年度にドメイン制を完成形に近づけ、後進の道を地ならしする意志とも受け取れる。
日立製作所と火力発電装置事業を統合した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)を擁し、稼ぎ頭のエネルギー・環境ドメイン。4月の新体制ではここに航空機エンジンが加わる。宮永社長が「同部門はほぼ完成形」と評するように、けん引役を引き続き担う。
中核事業をかじ取りするのが、安藤健司副社長執行役員(64)。発電設備の主要製品であるガスタービンに精通し、同社の海外最大市場である米国法人の社長を兼務するなどグローバル経験も豊富。「次世代ガスタービンでGEなどとの競争が激化する中、安藤さんが適任と考えた」と宮永社長は説明する。安藤副社長は1月にMHPSの社長にも就任した。
名山理介常務執行役員最高技術責任者(CTO)(62)も、安藤副社長の前任として同ドメインのトップを経験。14年4月から1年半、グローバル事業推進本部で本部長を担いグローバル感覚も磨いた。後任について「今は何も考えていない」と宮永社長。
ただ全社売上高の4割近くを稼ぐエネルギー・環境事業での経験と世界で戦う胆力を備えた人物―。後継者選びを考えたとき、この二つの要素が持つ意味は大きい。
日刊工業新聞2017年1月19日