「男性の家事参加が増えるのは食品メーカーにとってチャンス」(味の素社長)
西井孝明社長に聞く「家庭でより簡単に、おいしくできる料理の需要が高まる」
―北米や東南アジアなど、海外子会社の状況はいかがですか。
「買収した米ウィンザー・クオリティ・ホールディングスは、不採算品を17%削減する一方、日本の冷凍食品技術で製品力を強化した結果、営業利益率が改善してきた。2019年度に9%の目標を掲げているが、前倒しで達成できるだろう。東南アジアはベトナムやインドネシアが、年2ケタの成長率。タイは停滞気味だが、うま味調味料需要は伸びており心配していない」
―アフリカ36カ国で展開するプロマシドールの株式33%強を取得しました。
「これから成長が期待できる。トルコも13年に資本参加したキュクレに続き、食品大手オルジェンを買収した。マレーシアやペルーも伸びており、成長エンジンに育てたい」
―トランプ米大統領誕生が決まり、為替の円安が進んでいます。
「海外事業は円とドルより、タイバーツやブラジルレアルの影響の方が大きい。原料高の影響もある。海外事業は基本的に現地生産・現地販売で、為替戦略変更は考えていない。各国でこれまで通り、事業拡大を進める」
―所定労働時間の短縮など、働き方改革を進めています。
「17年度は取り組みを本格化させる。労働時間短縮で男性の家事参加が増えることは食品メーカーにとって、チャンスだ。家庭でより簡単に、おいしくできる料理の需要が高まる。外食と中食も同様に成長が期待できる。食品業界は他の業界と比べても、労働人口が多い。働き方改革を進めれば、日本全体へのインパクトも大きい」
―世界的な和食人気や20年の東京五輪・パラリンピック開催などを、どう味方に付けますか。
「当社は東京五輪のオフィシャルパートナー企業。東京五輪以外も17年のアルゼンチンの国際栄養学会議、18年の韓国・平昌(ピョンチャン)五輪など国際イベントが相次ぐ。それらの場を利用し、うまみの有用性に関する情報を発信していく。現地でフードライターや料理人らと会合を開くほか、小売り店頭でも和食や、うま味調味料を使った地元料理をアピールする」
(聞き手=嶋田歩)
「買収した米ウィンザー・クオリティ・ホールディングスは、不採算品を17%削減する一方、日本の冷凍食品技術で製品力を強化した結果、営業利益率が改善してきた。2019年度に9%の目標を掲げているが、前倒しで達成できるだろう。東南アジアはベトナムやインドネシアが、年2ケタの成長率。タイは停滞気味だが、うま味調味料需要は伸びており心配していない」
―アフリカ36カ国で展開するプロマシドールの株式33%強を取得しました。
「これから成長が期待できる。トルコも13年に資本参加したキュクレに続き、食品大手オルジェンを買収した。マレーシアやペルーも伸びており、成長エンジンに育てたい」
―トランプ米大統領誕生が決まり、為替の円安が進んでいます。
「海外事業は円とドルより、タイバーツやブラジルレアルの影響の方が大きい。原料高の影響もある。海外事業は基本的に現地生産・現地販売で、為替戦略変更は考えていない。各国でこれまで通り、事業拡大を進める」
―所定労働時間の短縮など、働き方改革を進めています。
「17年度は取り組みを本格化させる。労働時間短縮で男性の家事参加が増えることは食品メーカーにとって、チャンスだ。家庭でより簡単に、おいしくできる料理の需要が高まる。外食と中食も同様に成長が期待できる。食品業界は他の業界と比べても、労働人口が多い。働き方改革を進めれば、日本全体へのインパクトも大きい」
―世界的な和食人気や20年の東京五輪・パラリンピック開催などを、どう味方に付けますか。
「当社は東京五輪のオフィシャルパートナー企業。東京五輪以外も17年のアルゼンチンの国際栄養学会議、18年の韓国・平昌(ピョンチャン)五輪など国際イベントが相次ぐ。それらの場を利用し、うまみの有用性に関する情報を発信していく。現地でフードライターや料理人らと会合を開くほか、小売り店頭でも和食や、うま味調味料を使った地元料理をアピールする」
(聞き手=嶋田歩)
日刊工業新聞2017年1月18日