勢いの止まらない中国ロボット市場

関連メーカーの設備投資は高水準を維持

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デンマークのユニバーサルロボットは中国の協調型ロボの販売チャネルを強化
 企業が守りから攻めの経営へと大きくかじを切ろうとしている。2015年3月期で大幅な業績回復を果たした大手企業の多くが、16年3月期設備投資計画を、15年3月期比2ケタ増と設定している。
 その中でロボット、FA業界の設備投資は、堅調な需要に支えられ高水準を維持しそうだ。アジアを中心とした自動化ニーズの急拡大を踏まえ、メーカー各社は着々と供給体制を整えつつある。安川電機、川崎重工業が年内の新工場稼働を計画。また、ファナックは16年に予定する壬生工場(栃木県壬生町)の開設に向け動きだす。

 安川電機が想定する16年3月期の設備投資額は前期比50・5%減の180億円。ただ前期は海外2社の買収費用も計上しており、それらを除けば「本社地区の再編を行った前期ほどではないが前々期よりは多い」(広報・IR部)と引き続き活発な投資を計画する。9月には福岡県中間市のロボット工場が稼働開始予定。また、中国に置くサーボモーター工場の能力増強も進める。

 ファナックは1000億円程度を投じコンピューター数値制御(CNC)装置やサーボモーターなどを生産する壬生工場を新設予定。投資の一部は16年3月期中に行う計画だ。

 一方、川崎重工業は今夏、中国江蘇省蘇州市のロボット工場を稼働させる予定。2018年度に年産1万台を目指し、増強を進めていく。
(日刊工業新聞社2015年05月26日 最終面から抜粋、一部加筆)


【産業用ロボット需要は中国がけん引】
 日本ロボット工業会が21日発表した2014年の産業用ロボット出荷台数(会員、非会員が対象の調査で122社が回答)は、中国向けの大幅回復などにより前年比23・8%増の13万7334台と過去最高を上回り、4年ぶりに増加に転じた。金額では同17・1%増の5901億円でこちらも4年ぶりの増加となった。生産額は同20・6%増の5940億円。

 国内出荷の内訳では、自動車産業向けが同32・6%増の1万666台となり2年ぶりに増加。電子・電気機械産業向けは同3・9%減の1万169台となり3年連続で減少した。フラット・パネル・ディスプレー(FPD)、半導体関連の需要低迷が響いた。

 輸出向けは溶接用が同32・5%増の3万5349台と過去最高実績を記録。3年ぶりの増加となった。電子部品実装用は同19・1%増の8929台となり4年ぶりの増加。中国向けの回復が大きく寄与した。
 また、サービスロボットの出荷額(会員、非会員88社が回答)は610億円となった。

(日刊工業新聞社2015年05月22日 機械・ロボット・航空機面)

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

これまで「世界の工場」として発展してきた中国では、人件費の上昇に伴い急速に生産現場の自動化が進んでいる。拡大する市場の後押しを受け、現地ロボットメーカーも台頭。目先の成長市場としての視点はもちろんだが、今後は日本ロボットメーカーが勝ち抜くための戦略がより重要になる。

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