東洋鋼鈑、抗がん剤の副作用解析で20年越しの事業化 

遺伝子解析キットの製販承認を取得

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製品に見入る岡学長(右)、隅田社長(中央)
 東洋鋼鈑と山口大学、エイアンドティーは16日、遺伝子解析キット「ジーンシリコンDNAチップキットUGT1A1」が国内の製造販売承認を取得したと発表した。2017年度中の保険収載を経て、事業化を目指す。

 同キットは抗がん剤である「イリノテカン塩酸塩水和物」の副作用の発現リスクを解析するもの。リスクに関連する複数の遺伝子を1枚のチップで同時に高精度に測定できる。東洋鋼鈑の独自の素材・表面処理技術を活用し、山口大と共同開発した。エイアンドティーが販売を担当する。

遺伝子解析キット「ジーンシリコンDNAチップキットUGT1A1」


 同様のキットは国内年2万検体、約4億円の市場規模がある。また山口大にある「先端がん治療開発学講座」を通じ、他の疾患に対する研究も進める。

 山口大の岡正朗学長は同日の会見で、「04年以降、東洋鋼鈑と共同で遺伝子解析製品の開発を進めてきた。抗がん剤の副作用の有無を判定でき、患者が有効な薬剤を選択できるのが最大のメリットだ」と述べた。東洋鋼鈑の隅田博彦社長は「山口大とは今後も共同研究を続け、ライフサイエンス事業を主要な柱の一つに育てたい」と意欲をみせた。

日刊工業新聞2017年1月17日

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村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

東洋鋼鈑にとっては20年越しの事業化で、初の本格的な医療分野への参入となる。薬事の承認手続きで、臨床検査試薬を手がけるエイアンドティーと組んだことも事業化のポイント。

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