遅れてきた再生可能エネルギーのエース!20年ぶりに地熱発電が着工

湯沢地熱(秋田県湯沢市)、300億円を投じて出力4万2000キロワットの発電所を19年に運転へ

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豊田通商がケニアで事業化した地熱発電所(写真は記事と直接関係ありません)
 Jパワー、三菱マテリアル、三菱ガス化学は25日、3社の共同出資会社の湯沢地熱(秋田県湯沢市)が地元で開発計画を進めている大規模な地熱発電所「山葵沢地熱発電所」の建設工事に着手したと発表した。総額およそ300億円を投じて出力4万2000キロワットの発電所を建て、2019年5月に運転を始める。

 発電所は同市の国有林内に位置し、14年10月末に環境アセスメントの手続きが完了したのを受けて工事の準備を進めていた。環境アセスメントが必要となる出力1万キロワット以上の大規模な地熱発電所の建設は、96年に運転を始めた九州電力浦上発電所(大分県九重町、出力2万7500キロワット)以来ほぼ20年ぶりとなる。

 建設資金のうち約263億円をみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、秋田銀行、北都銀行の5行からの長期借入金で賄い、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が融資額の80%を上限に債務保証を行う。
(日刊工業新聞2015年05月26日3面に加筆)

 【地熱発電について】
 
 地熱発電は地中のマグマで熱せられた高温の水蒸気のエネルギーでタービンを回して発電する。Jパワーなど3社の地熱発電所は出力を単純比較すると太陽光パネル15万枚分の電力を作り出せる。もちろん天候に左右されないので同規模の太陽光発電所よりも大量の電力を供給できる。日本で最も古い地熱発電所は40年以上稼働しており、地熱は再生エネの中でも安定した電源だ。
 
 火山大国の日本は世界3位の地熱資源量を持つ。日本地熱協会によれば日本で稼働する地熱発電所の総出力は51万キロワット。環境省が試算する導入ポテンシャル量からすると、まだ3%程度しか利用できていない。掘削に時間と費用がかかり、行政手続きも必要なため開発のハードルが高いためだ。同省は30年に最大221万キロワットの導入が可能としている。

 4月末に政府がとりまとめたエネルギーミックス原案によると30年時点の電源構成に占める地熱は1%。発電した電力は固定価格買い取り制度で売電できる。出力1万5000キロワット以上は26円、1万5000キロワット未満は40円(いずれも1キロワット時)。

日刊工業新聞2015年5月13日深層断面に加筆

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

日本にとって地熱発電は再生可能エネルギーのエース。海外と比べて日照条件が良い訳ではないのに日本では太陽光発電の導入が先行しました。地熱資源量は4位以下を大きく引き離しての世界3位であり、日本に地熱は適しています。再生エネとひとまとめにしても国・地域の特性あった再生エネがあります。

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