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昨年の工作機械受注、15%減の中で見えた明るい兆し

速報ベースで12月の外需が16年の最高額に。海外が動き出した!?
昨年の工作機械受注、15%減の中で見えた明るい兆し

昨年以上の受注を目指す工作機械業界(ヤマザキマザックの美濃加茂製作所)

 日本工作機械工業会(日工会)が16日発表した2016年(暦年)の工作機械受注実績(速報値)は、前年比15・6%減の1兆2500億2900万円だった。減少は2年連続となる。内需、外需ともに精細を欠いた。内需は同9・5%減の5305億7000万円、外需は同19・6%減の7194億5900万円だった。経済の先行きの不確実さが、受注に顕著に表れた。

 全体の底上げ役できた内需だが、4年ぶりに減少した。設備投資を支援する政府補助金が投入されたが、円高進行や先行きの不透明感が逆風となり、前年を上回るほどの需要が生まれなかった。

 外需は2年連続の減少だ。北米は設備需要に一服感があり、中国は経済の減速後の戻りが弱い。

 12月単月は前年同月比4・4%増の1119億500万円だった。内需が同8・1%増の460億100万円、外需が16年の単月で最高となる同2・0%増の659億400万円。1100億円台は9か月ぶり。

 日工会は17年の受注目標を1兆3500億円とした。日、米、中国、欧州が上向く。
                   
日刊工業新聞2017年1月17日
六笠友和
六笠友和 Mukasa Tomokazu 編集局経済部 編集委員
速報ベースで12月の外需が16年の最高額でした。OKKが欧州で航空機部品を加工する機械を大口受注したり、ツガミが自動旋盤首位の中国でクルマや一般向けに受注を重ねたりしました。詳しくは19日発表の確報を受けて分析する必要がありますが、海外が動き出したようにも感じられます。

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