ソニー社長が語った「変化」「収益」「成長」「後継者」

平井一夫氏に聞く「コンシューマー・エレクトロニクスに徹底的にこだわる」

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ソニー公式ページより
 ソニーは2017年度に中期経営計画の最終年度を迎える。平井一夫社長が掲げ続けてきた「ソニーを変える」という言葉は、実現できているのか。改革の成果や、次の成長の姿を聞いた。
平井社長

 ―ソニーは変わったのでしょうか。
 「エレクトロニクス部門の構造は事業売却や販売会社の改革、製品力の強化により、かなり良くなった。15年度からは、利益創出と成長に軸足を置き、同部門は5年ぶりに黒字化できた。(同部門の)各事業子会社のトップは本体の執行役を兼ねており、ビジネスと本体の経営という両面のバランスを取れるマネジメントチームを作れたこともポイントだ。体質は変わってきた」

 ―17年度に営業利益5000億円、株主資本利益率10%以上にする目標の達成は難しいのでは。
 「やらねばならない数値目標だ。熊本地震による影響など一時的な要因を除けば、チャレンジング(挑戦的)だが、射程範囲内だ」

 ―18年度以降の成長イメージや課題は。
 「課題は映画事業の劇場公開ビジネス。作品の強化と財務基盤の改善を進める。電機分野は高価格帯路線に加え成長分野に人工知能(AI)やロボット、IoT(モノのインターネット)を据える。家庭向けはもちろんFAや介護などBツーB(企業間)向けも展開できる」

 ―BツーBシフトが進むのでしょうか。
 「放送機器や半導体といったBツーBビジネスは成長ドライバーとして重要だ。ただコンシューマー・エレクトロニクスに徹底的にこだわる。差異化し感性に訴えられる商品や技術、企画はたくさんある。ユニークで支持してもらえる商品を出せば必ず利益は出る。消費者に寄り添って一緒に成長していくのがソニーのDNAだ」

 ―経営陣が変わっても好循環は維持できますか。
 「後継者は常に意識している。後継者や次世代の育成は経営陣の大きな責任だ。次世代を担う人材には他の部門や企業とも連携してどうソニーグループに貢献するかを考える広い視野が重要だ」
(聞き手=政年佐貴恵)

17日から日刊工業新聞で「連載・挑戦する企業【ソニー編】がスタート」

日刊工業新聞2017年1月17日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

 ソニーの復活はいろいろな角度から検証できる。業績、商品力―。だが、客観的に分析すればするほど、それがささいなことのように感じられる。ソニーに対し、数字などにこだわらずもっとエモーショナルな価値を提供してほしい、という思いを多くの人が抱いている。  創業者の井深大氏は1962年の社内報で「世界のソニーといわれているが、世間のイメージに酔ってはいけない。あるがままの姿を離れ一人歩きする時代だからだ」と警鐘を鳴らした。その洞察力には驚くばかりだ。  一方、井深氏は「ソニーにしかできないことを、ソニーがやらなくなったら、ソニーではなくなる」と鼓舞していた。チーム・平井が進める「イメージ」と「実力」の溝を埋める改革の方向性は間違っていない。

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