中国の昇降機市場、成長鈍化が鮮明に!世界6割の新設需要が縮むとどうなる?

日立、三菱電機などは大きな収益源だったが・・。インドなどに目を向ける動きも

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中国で開催される世界最大の昇降機展示会
 中国の昇降機市場に不透明感が漂っている。中国政府が不動産投資への引き締めを強めているためだ。足元では「引き続き緩やかに伸びている」(電機メーカー首脳)との声があるものの、住宅販売価格は下落基調にあり、成長の鈍化が鮮明になっている。

 【世界の6割】
 中国は年60万台規模の昇降機需要があり、世界の6割を占めている最大マーケットだ。近年では沿海部の大都市周辺に加え内陸部にも市場が広がり、日本や欧米の昇降機各社は高層ビル向けの高級機種に特化して需要を取り込んでいる。特に三菱電機や日立製作所は上海や広州のランドマーク案件を受注するなど高く評価されており、市場シェアで首位の座を競い合う。

 これまで中国は昇降機ビジネスの収益源として拡大してきたが、足元では1―4月の不動産開発投資が前年同期比6・0%増となり、2009年1―5月以来の低水準に下落。需要動向は踊り場に差し掛かりつつある。「今後、中国の昇降機市場は低成長局面に入る。受注規模だけでなく、収益面にも影響が出てくるだろう」(大手証券アナリスト)とされる。

 そこで昇降機事業を展開する各社は、新たな戦略に着手しつつある。特に注目を集めているのが、世界2位の市場に成長したインドだ。デリーやムンバイなど主要都市で中・高層マンションや大型商業施設の建設が相次ぎ、市場規模が拡大。三菱電機は20年度に15年度比1・5倍の7万6000台に伸長すると予想し、中国を越える成長率を期待する。

 【大型受注も】
 同社は今後の商機に備え、年5000台を生産する新工場の設置を決定。16年に稼働し価格や納期の面で競争力を高めるほか、販売ネットワークも拡充し市場を深耕する。20年度に15年度比2・5倍の5000台を販売する意向だ。一方、日立も高層住宅向けに昇降機事業を積極化。今春にはムンバイ市の高級住宅向けに高速エレベーターなど58台を受注するなど、大型受注案件が相次ぐ。

 今後、中国市場では高い成長が期待しにくく、それを補う市場の開拓が求められる。各社はインドなど高成長市場に的を絞り、橋頭堡(ほ)を築きつつある。

2015年05月26日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

昇降機ビジネスは特殊だ。新設は中国に依存し、日本などは保守・メンテが主体になる。利益率が高いのは保守・メンテで、事業全体で2ケタの近い利益率を確保している。最終的にストック(保有台数)がものをいう。インドの市場は大きいが工事管理など開拓は容易ではない。中国における事業マネジメントの見直しが浮上してくるかも。

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