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「津賀続投論」も、見えてきたパナソニックの次期社長候補

来年交代なら本間・榎戸の2専務が有力だが・・
「津賀続投論」も、見えてきたパナソニックの次期社長候補

津賀社長(パナソニック公式ページより)

 パナソニックは約5年前、2年間で計1兆5000億円超の当期赤字を出す経営不振に陥った。経営再建の陣頭に立った津賀一宏社長(60)はプラズマテレビ事業など5%の営業利益目標に届かない事業に撤退や売却の大なたをふるった。同時に、以前に比べて経営判断を透明化、人事案の妥当性を高める仕組みも導入した。

 現在、中長期戦略や重要課題は社長、社内分社長ら約10人が「グループ戦略会議」で話し合い意見を共有する。年2回開く役員合宿でも幹部が距離を縮めて話し、「合宿で決めたことが方針に反映される」(同社幹部)。

 以前より経営判断の透明性は高まった。人事では2015年に社外取締役を委員長とする「指名・報酬諮問委員会」を設置した。社長が委員会に人事案の妥当性を納得させなければならない仕組みだ。

 社内の構造改革に一定のめどを付けたが、足元は売り上げが伸びず成長軌道の手前で足踏みの状態。津賀社長には過去を上回る増収増益への強い思いがある。

 当初は直近2社長と同じ6年の任期を18年に終えると見られたが、最近は「18年以降も続投」との見方が増えた。津賀社長を支えるのは社内分社4社長を含む7人の代表取締役専務。後継者は専務経験者から選ぶのが順当だ。

 18年に社長交代があるなら、最有力は家電部門トップの本間哲朗専務(55)。経営企画で津賀社長を支えた実績がある。15年に同社本流のAVC社社長に抜てきされた榎戸康二専務(56)も候補。BツーB分野を成長軌道に乗せることが必要条件となる。

 一方、津賀社長が18年以降も続投する場合、後継候補は若手の役員や幹部まで広がる。

 有力なのは家電分社副社長の楠見雄規役員(51)。幹部候補生のエリートで津賀社長と同じ旧無線研究所の出身。「頭が良く、目上の人にも物怖じせず意見する」(同社幹部)。社長に面と向かって意見していた津賀社長とも通じるところがある。

 テレビ事業を黒字化した品田正弘テレビ事業部長(51)を推す声もある。
              
日刊工業新聞2017年1月12日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
僕は津賀さんが地位に恋々とする人ではないと思っています。来年代わるなら「この人」だろうと思っている人はいます。

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