米シェール由来LNG初上陸、日本はメリットを享受できるのか

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米シェールガス由来のLNGを積んだ輸送船が入港(6日、直江津港)
 米国産シェールガス由来の液化天然ガス(LNG)が、日本に初上陸した。東京電力ホールディングス(HD)グループと中部電力の共同出資会社、JERA(東京都中央区、垣見祐二社長)が米国から購入したLNG7万トンが、新潟県上越市の直江津港に6日に到着した。中東諸国や豪州などに偏っていた天然ガス調達先の、多様化に向けた大きな一歩となる。北米以外の産ガス国との間でも今後、契約条件を巡る交渉で日本の発言力が強まることが期待される。

 直江津港に入港した7万トンは、JERAが米LNG大手のシェニエール・エナジーから最大70万トン購入するLNGの第1陣で、2016年12月7日に米ルイジアナ州で船積みされた。

 上越市にある中部電のLNG基地で貯蔵し、隣接する同社の「上越火力発電所」で燃料に使う。

 中東などからLNGを調達する場合、天然ガスの需給動向ではなく、原油相場に連動した価格での長期購入契約を強いられることが多い。これらの契約には通常、第三者への転売を認めない「仕向け地条項」も盛り込まれる。

 一方、米国産は一般に、同国の天然ガス市場の取引価格に連動する価格で調達できる。さらに、仕向け地条項もない。このため価格が安い時にスポットで買い、余ったら転売するといったことが可能になる。

 近く発足する米トランプ政権下で、米国産LNGの輸出余力がさらに高まることが予想されている。日本企業によるLNG調達の柔軟性も、ますます高まるといえそうだ。
(文=宇田川智大)

日刊工業新聞2017年1月11日

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長塚崇寛
編集局ニュースセンター
デスク

日本は世界最大のLNG輸入国。原油価格に連動しない米国産LNGは調達コストの低減につながる。さらに拡張工事が完了したパナマ運河を大型のLNG運搬船が航行できるようになり、輸送日数の短縮に伴うコストメリットも享受できる。

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