関電、原発再稼働見据えLNGトレーディング拡大
余剰分を販売し収益への貢献狙う
関西電力は、液化天然ガス(LNG)を他社と交換・転売するトレーディングを拡大する。シンガポールを有力候補に、海外拠点の設置も視野に入れる。今後、国内で停止している原子力発電所の再稼働が進んだ場合、火力発電所の稼働が減って調達したLNGに余剰が生じる。これまで需給調整を主眼としてきたLNGの調達政策を転換。需要が拡大するグローバル市場を相手に、販売でも利益を上げられる体制構築を見据える。
関西電力の岩根茂樹社長は「シンガポールに出先や事務所を設けることも可能性の一つ」との見解を示す。現地にLNG事業で協定を結ぶBPシンガポールが本拠を置いており、同社との交渉も現地で進めている。
LNGトレーディングはBPのほか仏アンジーと協業しており、スワップ(交換)対象の場所や時間を広げていく方針だ。東京ガスとは相互にLNGを交換・融通する枠組みに合意しており、北海道電力とは2015年にLNG長期売買契約を結んだ。また、堺LNG基地(堺市西区)には、国内でも例の少ないタンクから船へとLNGを戻す輸出可能な再出荷用設備も備える。
関電の電源構成は原子力依存度が高く、これまでも原発の稼働次第でLNGの需要量は大きく変動していた。このため長期契約するLNGは柔軟性を重要視した交渉の結果、相当量が転売できる契約になっているという。
関電の原発は、高浜3、4号機(福井県高浜町)で稼働を禁ずる仮処分が有効なままだが、大阪高等裁判所の判断次第で今春にも再稼働の可能性がある。大飯3、4号機(福井県おおい町)も原子力規制委員会による審査が順調に進めば、今秋の再稼働が見える。一方でLNG調達は17年から米国のシェール由来ガスや豪州のLNGなど4プロジェクトで供給が新たに始まる。
関西電力の岩根茂樹社長は「シンガポールに出先や事務所を設けることも可能性の一つ」との見解を示す。現地にLNG事業で協定を結ぶBPシンガポールが本拠を置いており、同社との交渉も現地で進めている。
LNGトレーディングはBPのほか仏アンジーと協業しており、スワップ(交換)対象の場所や時間を広げていく方針だ。東京ガスとは相互にLNGを交換・融通する枠組みに合意しており、北海道電力とは2015年にLNG長期売買契約を結んだ。また、堺LNG基地(堺市西区)には、国内でも例の少ないタンクから船へとLNGを戻す輸出可能な再出荷用設備も備える。
関電の電源構成は原子力依存度が高く、これまでも原発の稼働次第でLNGの需要量は大きく変動していた。このため長期契約するLNGは柔軟性を重要視した交渉の結果、相当量が転売できる契約になっているという。
関電の原発は、高浜3、4号機(福井県高浜町)で稼働を禁ずる仮処分が有効なままだが、大阪高等裁判所の判断次第で今春にも再稼働の可能性がある。大飯3、4号機(福井県おおい町)も原子力規制委員会による審査が順調に進めば、今秋の再稼働が見える。一方でLNG調達は17年から米国のシェール由来ガスや豪州のLNGなど4プロジェクトで供給が新たに始まる。
日刊工業新聞2017年1月9日