低価格化が進むICタグは流通革命をもたらすか!?ユニクロが台風の目に

「ジーユー」でICタグ搭載の実験を開始。決済、SCMを改革

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ICタグによるレジ迅速化の実験が始まった「ジーユー」
 低価格化が進んできたICタグが流通に革命を起こす日が近づいてきた。かつてセルフ方式とレジスターで流通に革命が起こったように再び流通革命が起こるのか―。
 
 ICタグは決済の合理化を促進するだけでなく、生産から販売までのサプライチェーンマネージメント(SCM)を改革、生産や物流の現場で劇的なコストダウンをもたらす。しかも在庫の持ち方すら変える。消費財にICタグの装着率が高まり、それを活用するインフラが流通業界で整備されれば、まさに革命といえる変化が起こる可能性がある。

 カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは2016年初めに完成する都内の大型物流センターの稼働を機に、ユニクロの店舗でICタグの本格採用を始めるという。そのため、まずユニクロの姉妹ブランド「ジーユー」の一部店舗で実験を始めた。

 ジーユーでは無人レジを導入し、まずICタグを搭載した商品の決済を瞬時に行えるように実験している。ICタグの活用で小売り段階では、レジの高速化がまず有効だ。

 しかし、ICタグの真価はこれにとどまらない。ICタグが装着された商品を前提にSCM全体を考えると、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長が、物流センターの竣工によって「産業革命が起こる」といったように、生産から販売までの一連の流通を劇的に変える可能性がある。

 というのもバーコードなどと違ってICタグは情報の搭載量が圧倒的に多い上、瞬間に情報を処理できる迅速性があるからだ。生産段階でICタグを装着すると、店舗の納入あたって売り場別、棚別といったように品揃えして配送ができるようになるし、配送過程全体の把握も容易だ。何がどこにあるか、逐次性格に把握できれば各段階で在庫の持ち方も変わる。

 何よりも店舗段階での負担が大幅に軽減される。現在、衣料品などは納品の際や、棚卸しなどに膨大な労力を費やしている。在庫の管理なども程度は販売時点情報管理(POS)システムやITである程度はできているとみられるが、1品1品にICタグが装着されれば、詳細な在庫情報が把握でき、不要な在庫の削減、店間移動などが一段と効率化されるとみられる。

 販売の現場では決済の合理化、店頭在庫の把握の効率化、迅速化で、接客を強化するなど、店舗を持つ強みに力を振り向けられる。

 ICタグはまだ、1つあたり10円程度といわれる。それもかつて50円や100円もしたときと比べると下落してきたが、ユニクロなど大手流通業が全店ベースで採用に踏み切ればコストダウンに弾みがつき、低価格化に拍車がかかる可能性もある。

日刊工業新聞2015年05月27日 2面に加筆

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ICタグは魔法のチップか、それとも・・・

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