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パナソニックがディズニーと提携する切り札技術とは

プロジェクションでテーマパーク演出
 【米ラスベガス=錦織承平】パナソニックは5日(現地時間4日)、米ウォルトディズニーパークス&リゾーツとプロジェクターを使ったテーマパーク演出技術で提携すると発表した(写真)。パナソニックは北米と中南米で自社のプロジェクションシステムを米ディズニー認定の「公式システム」として営業展開できる。すでに米ディズニーと数百台規模の高輝度プロジェクターの受注交渉を始めた。

 両社は10年間を期限とする提携契約を結び、パナソニック製システムが米ディズニーの「公式プロジェクション技術」に認定された。米ディズニーがアトラクション演出用のプロジェクションシステムの採用を検討する際、パナソニック製が最初から選択肢に加えられるほか、テーマパーク内でのシステム検証実施権も得る。

 テーマパーク、スタジアムなどのエンターテインメント市場は米国を中心に年平均5%の成長が続く。パナソニックは5000ルーメン以上の高輝度プロジェクターのシェアで業界首位。エンターテインメント分野を企業向け(BツーB)システム事業の重点分野に位置づけて、18年度売上高3000億円を目標としている。

日刊工業新聞2017年1月6日



4K対応の高輝度プロジェクター投入、業界首位固め


 パナソニックは高輝度と高解像度を兼ね備えた業務用プロジェクターの品ぞろえを増やす。光の出力が3万ルーメンの高輝度機種や、フルハイビジョン(FHD)の4倍の解像度を持つ「4K」映像を投写できる機種を近く市場に投入する。同社は高輝度プロジェクター市場で世界シェア31%を有し、業界首位に位置する。高付加価値商品を拡充して市場を深耕し、首位固めに力を注ぐ。

 光出力3万ルーメンの「PT―RZ31KJシリーズ」を旗艦モデルとし、年間300台の販売を目指す。2017年1月には2万6000ルーメンの4K映像対応機種「PT―RQ32KJ」を発売する予定。いずれも安定した画質を投映でき、メンテナンスの手間が省けるレーザー光源を搭載している。

3万ルーメンの高輝度業務用プロジェクター「PT―RZ31KJ」


 業務用プロジェクターの世界市場の成長率が年率3―4%で推移する中、高輝度プロジェクターは需要が増しており、2ケタ成長が見込まれる。プロジェクションマッピングやスタジアムなどエンターテインメント分野での採用が増えているためだ。

 パナソニックは5000ルーメン以上の高輝度プロジェクター市場で業界首位だが、2万ルーメン以上の機種に絞るとウシオ電機の米子会社クリスティ・デジタル・システムズ(カリフォルニア州)などが先行する。この領域は成長の余地があることから、さらなるシェア獲得を狙う。20年までには4万―6万ルーメンの高輝度機種を開発する方針。

日刊工業新聞2016年12月9日

昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
今回は北米と中南米のみの発表になっていますが、そのうち日本でもパナソニックの4Kプロジェクション映像を使ったアトラクションが楽しめるようになるのでしょうか。

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