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寒い冬は“家庭血圧”を定期的にチェックを

病院で測定するよりもリラックスした状態で信頼性が高い
 寒い日が続いています。寒くなると急な血圧の上昇がこわいものです。高血圧症の日本人は約4300万人と非常に多く、進む高齢化でさらに増加すると思われます。第32代アメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルト(1882―1945)は、高血圧症に悩まされ、収縮期200以上の血圧で執務をこなしていましたが、最後には心不全と脳卒中を起こし亡くなりました。この時代には降圧薬はまだなく、薬で血圧を下げることはできませんでした。

 高血圧が長年続くと、心臓や血管に徐々に負担がかかり、動脈硬化を起こし、さらに傷んで硬くなった血管に急な血圧上昇が加わることで脳卒中、心筋梗塞などの心血管病を起こすのです。

 高血圧治療は、これらの心血管病の予防はもちろん、すでに心血管病をおこした人の病気の進行、再発を抑えることが目的となります。動脈硬化が進んでいない状態であれば一過性に血圧が上昇しても心血管病が起きる確率はグンと下がります。

 では、今日測った血圧がいつもより高い時はどうすればよいでしょうか。いつもと体調に変化がないのであれば、数分休み、楽な気持ちでもう一度測定してみてください。それだけで、測定値が下がることはよくあります。

 1日の中でも、また季節によっても血圧は常に変化しています。運動している時、痛みがある時、ストレスがかかっている時などは普段より血圧は高くなります。家では正常な血圧なのに病院では血圧が上昇してしまう人もいますが、このような状態を白衣高血圧と呼びます。

 これはドクターの白衣を見ることによって、妙に緊張して高くなると考えられますので、特に治療の必要はありません。

 血圧が心配な人は、ぜひ自宅で定期的に測定し記録してください。自宅で測定した血圧値は、病院で測定するよりもリラックスした状態で計るため信頼性が高いとされています。

 今の時代、家庭用血圧計は何十種類にも及び、インターネット通販や、家電量販店に行けば多数並んでいます。簡単に、より正確にできる自宅での血圧測定への意識が広まっているからだと思われます。家庭血圧値は5―7日の平均で考えるので、1日くらい血圧が高い日があっても気にすることはありません。

 朝の血圧測定は、起きてから1時間の内で、排尿後、血圧計を巻いてから1―2分安静にして測定してください。家庭血圧の一般的な目標値は135/85未満です。よりよい血圧コントロールのために、ぜひ家庭血圧の記録をとり、心配な時はその記録を持ち医師へ相談してください。
(文=岩原信一郎・社会医療法人社団 正志会 南町田病院院長)
日刊工業新聞2015年12月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
個人的に血圧はかなり低い方です。1~2カ月に一度は測っていますが、確かに病院だと結構ドキドキしますね。

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