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科学は人と人をつなぐ文化

ノーベル賞週間を現地で体験した日本人学生が報告会
科学は人と人をつなぐ文化

ノーベル生理学医学賞を受賞した大隅東工大栄誉教授㊥と記念撮影する京大院の松本さん㊧と香川高専の春日さん(国際科学技術財団提供)

 音楽や美術と同様に、科学は人と人をつなぐ文化だと実感―。12月のノーベル賞週間に併せてスウェーデンで開かれた「ストックホルム国際青年科学セミナー」に参加した京都大学大学院薬学研究科の松本明宏さん(24)と、香川高等専門学校専攻科電子情報通信工学専攻の春日貴章さん(23)が帰国報告会でこんな印象を語った。

 同セミナーはスウェーデン青年科学者連盟が毎年開催。世界各国の若手科学者が現地に1週間滞在し、ノーベル賞授賞式などに参加するほか、現地の高校生に研究発表を行う。日本は国際科学技術財団が毎年2人の学生を選抜し派遣している。

 松本さんは、ノーベル生理学医学賞を受賞した東京工業大学の大隅良典栄誉教授との交流を振り返り、「自分がやりたいテーマを長く追い続けることが良い研究につながると教わった」と報告した。

 春日さんは、「他国の参加者は、私より年下の人も『科学者』という自己意識を持っていた。私も学生という意識から、科学者という意識に改めなければならないと刺激を受けた」と総括した。
日刊工業新聞 2016年12月22日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 スペースの都合で新聞記事には盛り込めませんでしたが、大隅栄誉教授との交流で、春日さんは他の研究者との共同研究をうまく進めるコツについて質問したところ、「若いうちから仲間を見つけることが大切とのアドバイスをいただいた」とのことです。また、記事冒頭の「科学は人と人をつなぐ文化だと実感」というくだりは松本さんの発言。松本さんは他の国・地域からの参加者との交流を振り返り、「最初は何をテーマにして話せばいいか分からなかったが、共通点はみんな科学が好きなことだった。科学という共通の話題を通して、お互いの仲を深めることができた」と語っていました。

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