車塗装後の補修研磨、自動化で熟練者レベルを実現

慶大が加工法開発、新設工場への導入を目指す

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熟練工の工具軌跡や力加減をデータベース化し、自動研磨機で再現する
 慶応義塾大学理工学部の柿沼康弘准教授らは、熟練者が行う自動車塗装後の補修研磨を自動化する加工法を開発した。熟練者が手作業で仕上げる際の工具の軌跡や力加減をデータベース化。加工物表面の曲面形状に対し、工具が常に垂直に当たるように姿勢を制御する技術も採り入れた。この加工法による研磨実験で、熟練者による手作業と同等の加工品質を再現できた。

 新車工場での車体塗装の最終仕上げ工程への導入を目指す。車体塗装後の補修研磨は難度が高く、熟練者による手作業が一般的だ。ただ、研磨剤の飛散による健康被害や、手作業に伴うコスト高、熟練者不足といった課題を抱える。

 作業の自動化は、こうした課題の解消につながる。自動化によって、加工品質を一定にできる利点もある。

 柿沼准教授らは、持ち運び可能な5軸研磨加工機を開発した。補修研磨が必要な場所の近くに同加工機を運ぶ手間はかかるものの、従来の手作業を半自動化できる。

 手作業と同等の品質を自動化で実現するには、未知の曲面に対しても工具を常に垂直に当てる必要がある。同加工機は、工具が加工物表面に接触した時に発生する力を基に工具の向きを検知し、姿勢を制御できるようにした。

日刊工業新聞2016年12月28日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

こういう技術こそ産学で実用化を早めて欲しい。この記事を見てさらに関心を持つ自動車関連企業が出てくれば。

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