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ローソンがセブン追撃へ出店攻勢

来期中に中国1000店へ。国内も高水準維持
ローソンがセブン追撃へ出店攻勢

中国では上海とその周辺地域を中心に展開(上海市内のローソン店舗)

 ローソンは2018年2月期に中国国内の店舗数を、16年11月末比約1割増の1000店超に引き上げる。店舗増で現地での認知度を上げるとともに、新規出店地域での交渉力強化も狙う。中国をはじめ海外展開は競合他社が先行している。ローソンは国内でも高い水準の出店を維持しつつ、中長期的に所得の増加が見込める中国都市部での事業展開を加速する。

 中国では上海市とその周辺地域のほか、重慶市や大連市など5地域で展開している。今後、その周辺地域を含めて新店の進出可能性を探る。

 ただセブン―イレブンは16年9月末時点で2270店(現地ライセンスによる出店含む)、ファミリーマートが同11月末時点で1772店と先行している。ローソンは早期に1000店を達成し、巻き返しを狙う。19年2月期は中国のほかタイやフィリピンなどを含む海外事業で営業損益の黒字転換を目指す。

 一方、国内でも高水準の出店を維持する計画。国内店舗数は同11月末現在で1万2839店。18年2月期は1200店の出店を計画している。17年2月期は、16年11月末までに765店を出した。

 国内チェーンのコンビニエンスストアの総数は16年11月末に5万4359店となった。市場は飽和状態との見方もあるがローソンは「高齢者や働く女性のニーズをつかむため、役に立てる場所はまだまだある」(竹増貞信社長)とみて、17年2月期以上の出店を目指す。

 ローソンは17年初頭に三菱商事の子会社となる予定で、銀行業への参入も目指している。店舗増で存在感を高めるとともに、サプライチェーンやサービスの強化で、セブン―イレブンやファミリーマートに対抗する。
日刊工業新聞2016年12月28日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
総合スーパーなど他の小売りが中国で苦戦する中、コンビニにまだまだ出店意欲が高い。賃金上昇などで一時、「脱中国」という動きが活溌でしたが、流通に限らず製造業でももう一度、中国市場を再強化する動きが出てくるだろう。ローソンの玉塚会長は今年の入社式で「これから大事なのは海外。10年後には、海外の店舗数が国内の店舗数を上回る可能性が高い」と。

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