「未完の大器」ペロブスカイト太陽電池はどこまで進化するか
100度C2600時間の耐久性、兵庫県立大が実証
兵庫県立大学大学院工学研究科の伊藤省吾准教授らの研究グループは22日、次世代太陽電池のペロブスカイト太陽電池で初めて100度Cで2600時間の耐久性を確認したと発表した。既存の製品構造から電極材料などを変えて電池を試作した。課題だった耐久性を大幅に改善したことにより、実用化に弾みが付く。5年後の実用化を目指す。独科学誌「ケムサスケム」で発表した。
ペロブスカイト太陽電池の構造で、電極材料を従来の金からカーボンに変更し、封止材を塗る場所を従来の上から横に変えるなどで耐久性を高めた。これまではスイスの研究者が公表する、85度Cで約500時間の耐久性が最高だった。
今回試験した同電池の変換効率は5%。伊藤准教授は「ペロブスカイト層の改良などで、実用レベルの20%台に引き上げるめども立った」という。
ペロブスカイト太陽電池は、製造に印刷技術を用いて真空プロセスが不要なため、シリコン太陽電池に比べ生産コストが低い。
ペロブスカイト太陽電池の構造で、電極材料を従来の金からカーボンに変更し、封止材を塗る場所を従来の上から横に変えるなどで耐久性を高めた。これまではスイスの研究者が公表する、85度Cで約500時間の耐久性が最高だった。
今回試験した同電池の変換効率は5%。伊藤准教授は「ペロブスカイト層の改良などで、実用レベルの20%台に引き上げるめども立った」という。
ペロブスカイト太陽電池は、製造に印刷技術を用いて真空プロセスが不要なため、シリコン太陽電池に比べ生産コストが低い。
日刊工業新聞2016年12月23日