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パナソニック、円筒形車載電池を国内外から新規受注

テスラ以外に顧客拡大、国内2工場に投資
パナソニック、円筒形車載電池を国内外から新規受注

津賀社長(右)

 パナソニックは国内外の複数の自動車メーカーから、円筒形リチウムイオン電池を新規受注した。現在、同電池は量産車用は米テスラ・モーターズの電気自動車(EV)向けにしか供給していない。テスラ向けで培った信頼性や同電池のコスト力が評価され、他メーカーからの受注につながった。

 パナソニックは車載用リチウムイオン電池で世界首位だが、テスラ以外の顧客はエネルギー密度を落として安全性を高めた角形電池を採用している。円筒形は角形に比べて、コスト競争力が高いメリットがある。ただ、基本的には「円筒形はテスラ向けが最優先。(新規顧客は)安全技術があり、同電池を責任を持って扱える所にしか売らない」(津賀一宏社長)との方針だ。

 新規顧客向けの生産は住之江(大阪市住之江区)と貝塚(大阪府貝塚市)の2工場で行う見通し。ただ、両工場は現在、テスラ向けでフル稼働状態。今後、若干の投資を行って生産効率を改善させる計画だ。

 テスラとは共同運営する米ネバダ州の新電池工場「ギガファクトリー」が2017年に本格稼働を始める。パナソニックは同工場の立ち上げを最優先して数百人規模の人員を投入している。
日刊工業新聞2016年12月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
具体的な供給先とボリュームが分からないので収益への貢献度が見えない。テスラへの極度の依存から脱するのは良いことではあるが。

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