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日立、18年度末までに産業用アプリ100種開発

具体的な数値目標とマイルストーン、活用実装した上で構築
日立、18年度末までに産業用アプリ100種開発

日立の大みか事業所

 日立製作所は2018年度末までに、IoTプラットフォーム(基盤)「ルマーダ」上で運用する産業用アプリケーションを100種類開発する。生産現場での品質向上、製品の需要変動に柔軟に対応できる工程管理などをテーマに設定。多様な地域・業種の顧客に提供できるよう高い拡張性を確保して開発する。アプリはまず自社の顧客に対するソリューションの一部として活用し、19年度以降に外販に乗り出す意向。

 IoT基盤は生産性向上などのため、機器やセンサーから収集したデータを管理して解析し、改善策を探るための中核を担う。

 日立はIoTを活用した業務改善などに取り組み、そのユースケース(利用事例)をルマーダに収集。その後、利用事例を基に拡張性を高めた「ソリューションコア」と呼ぶアプリに仕上げる。

 テーマは生産ラインの不良抑制、電力のデマンドレスポンス(需要応答)などを想定する。まずは日立の鉄道や電力といった事業部門で横断的にソリューションコアを活用し、顧客に対するサービスを低コストで仕上げ、迅速に提供できるようにする。

 19年度以降、マーケットプレース(電子商取引市場)でソリューションコアをパートナー企業に提供できる仕組みを構築する計画。ソリューションコアの基となる利用事例は16年9月末時点で170件。18年度末までに1000件まで増やす意向。
 
日刊工業新聞2016年12月21日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
 いよいよ日本勢からも満を持して欧米の取り組みと比肩するインダストリアルアプリマートが登場する。具体的な数値目標とマイルストーンをおき、1年半で100種のアプリを開発するというのも、単純な追いつけ追い越せではなく活用実装した上で構築できることが視野に入っていないと掛け声だけで終わってしまう。  自社での活用を含めて、ノウハウをアプリに落とし込んで提供することが特徴で、GEやシーメンス以外にも独AXOOMなどがこの領域には参入しており、中期的には様々な企業がこぞって参入することが見込まれている。先行者ならではの、そして日本ならではの視点やマネジメントの細かさ、こだわりがガラパゴス化せずに実装され、大いに活用されることに期待したい。

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