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アルミニウムやステンレスの金属材料、曲面を1nm加工

クリスタル光学が来年から受託。宇宙や半導体関連に提案
 クリスタル光学(大津市、桐野茂社長)は金属材料の自由曲面で表面粗さ1ナノメートル(10億分の1)の高精度加工ができる体制を構築した。2017年2月にも受託加工を始める。ヘッドアップディスプレー(HUD)やX線分析測定装置などの高解像度化に伴う部材の精密加工ニーズに対応する。ガラスなどで同レベルの加工事例があるが高コストが課題だった。

 アルミニウムやステンレスなど金属材料で300ミリメートル角まで対応する。金属材料で業界に先駆けて参入し、市場競争をリードする。

 約1億円を投じて、磁性流体研磨装置を本社工場に導入した。微粒子状の磁性体と研磨剤で非球面や自由曲面が高精度研磨できる同装置と、研磨のプログラミングや保守を含めた加工装置の操作ノウハウ、加工後の測定技術など総合的な加工技術で、低コストな金属高精度加工を実現した。

 1ナノメートルクラスはガラスやシリコンでの事例があるが、高コストで加工時間も長いなど商用採用には至っていない。開発した技術はこれらの事例より短時間で加工できる。
日刊工業新聞2016年12月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
自由曲面は上下左右が非対称の形状。至近投影や集光に向くためレンズやミラーに用いられる。投影の高精細化には、高精度加工が不可欠だ。開発した技術は、大型化・高精細化が進む列車や航空機HUDのほか、天体望遠鏡や宇宙機器、半導体露光装置などの部材や金型加工に提案していく。

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