「カローラ」の運転支援向けセンサー、コンチネンタルが受注

自動運転の普及を契機に、メガサプライヤーが日本型系列を崩すのか

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ボッシュは車線変更も含めた最新の自動運転技術を公開した
 自動車部品業界の勢力図が様変わりしようとしている。自動運転やつながる車が車開発の新しい競争軸になり企業買収でセンサーやソフトウエアなど自動運転に必要な技術を獲得してきた独ボッシュやコンチネンタルなどメガサプライヤーが存在感を強めている。

 9月、北海道大空町にあるボッシュのテストコース。大雨の中、ドライバーがハンドルから手を離したまま自動で走りだし、車線変更までやってのけた。車の周辺を検知するセンサーやレーダーを搭載したボッシュの自動運転車だ。

 ボッシュは2021年度にドライバーが運転に関与しない「レベル4」の自動運転システムを量産する計画。「我々は一歩先を行っている」。ルッツ・ヒレボルドシャシーシステムコントロール事業部長は自信を深める。

 自動運転技術でボッシュを猛追するのがコンチネンタルだ。タイヤメーカーとして知られる同社だが、自動運転時代を見据え、ここ15年で100件を超える企業買収や事業提携を実施し、製品群を拡充。最近はトヨタ自動車の「カローラ」に搭載する運転支援システムにコンチネンタルのセンサーモジュールが採用され、業界の話題をさらった。

 「ドイツ勢が攻めているが(最大顧客にはデンソーの製品が)いい品質、性能だと理解してもらっている」。松ヶ谷和沖デンソーADAS推進部長は冷静だ。しかし自動運転技術をめぐって車の主要部品を系列の部品メーカーに発注する日本の従来型のビジネスモデルは崩れつつある。

 「完成車メーカーは自動運転やコネクテッドカーの技術開発まで手がまわらない。有力な部品メーカーに任せる仕事が増えている」。日系完成車メーカー幹部はメガサプライヤーが台頭する理由をこう述べる。

 日本の部品メーカーは欧州勢の攻勢にどう立ち向かっていくのか―。自動運転分野の出遅れを巻き返そうとしているのが日産自動車系列最大の部品メーカーであるカルソニックカンセイだ。

 カルソニックは車の排気部品、計器類など機械部品が主力。日産が来春にも同社の全株を米投資ファンドKKRに売却するのを機に、自動運転分野などで有力技術を持つ他社との提携を活発化。ビジネスの拡大を狙う。

 「金属や樹脂関連技術を応用し、自動運転分野で何ができるか探っている」(島津幸彦パイオラックス社長)。自動運転技術の顧客は完成車メーカーだけでなく、米グーグルやアップルなど車の知見が少ない異業種にも広がっている。これらに対応するには少しでも得意技術を増やし、スピード感をもって付加価値の高い技術を総合提案していくしかない。

日刊工業新聞2016年12月13日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

メガサプライヤーをピラミッドにしたヒエラルキーが誕生する可能性もある。すでにドイツでは、自動運転以前からボッシュが完成車メーカーより力を持つ場面も見受けられる。日本ではトヨタグループとそれ以外というくくりになるのではないか。特にトヨタ本体はデンソーの成長をどう担保していくか、難しい舵取りになる。

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