薬価引き下げでジェネリックに試練。利益圧迫のメーカーは戦略見直し

投資先送り、量産品の一部を外部委託生産に

 ジェネリック医薬品(後発薬)業界は4月の診療報酬改定と薬価引き下げの影響を大きく受けた。2年に1回の薬価改定に加え、初めて薬価収載される後発薬の価格を先発薬の60%から50%に引き下げることを実施。後発薬大手の利益を圧迫した。また、後発薬の利用を促すはずの診療報酬改定の効果は限定的で、販売計画や設備投資計画の見直しを余儀なくされた。

 後発薬各社は政府の後発薬の数量シェア拡大策に応じた後発薬の安定供給のための増産を迫られ、想定以上の設備投資で借入金が大きく膨らんでいる。

 これまで自社設備の増強で生産拡大を続けた沢井製薬は「投資リスクを抑えつつ後発薬の需要増に対応する」(澤井光郎社長)ため、後発薬の量産品の一部を外部委託生産に切り替える方針だ。

 東和薬品も「従来の政府の施策に頼る設備投資ではいけない」(吉田逸郎社長)と設備投資計画の一部を先送りし、試験的に外部委託生産を始める。

 こうした中、医薬品の製造受託会社は受注増を見込み、早めの設備投資で対応する。アルフレッサファーマ(大阪市中央区)は主力の岡山工場で近年、製剤棟や包装棟、配送センターなどの設備投資を行い、後発薬各社からのニーズに応える。

 一方、先発薬会社は後発薬利用促進の影響で販売が低迷する長期収載品の扱いに困り、後発薬市場へ関心を寄せる。4月に武田薬品工業とイスラエルの後発薬のテバが設立した合弁会社は、武田薬品から長期収載品の大半を移管された。

 テバの後発薬の販売も武田薬品の販路を活用して増やす考えだ。また、大日本住友製薬はオーソライズド・ジェネリック(AG)の販売促進子会社を11月に設立し、長期収載品や将来展開するAGの販売を予定している。
(文=大阪・香西貴之)

日刊工業新聞2016年12月13日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
12月15日
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2017年は診療報酬の改定が行われない。次の診療報酬改定まで政府の新たな後発薬利用促進策が期待できない中、後発薬業界を取り巻く環境は一層厳しさが増す。
(日刊工業新聞大阪支社・香西貴之)

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