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段ボールがベッド、テーブル、イスに変身!災害支援ボックスのすごい中身

パックスが生活支援用備品として提案
 パックス(岐阜県恵那市、小松博道社長)は、いすやベッドを組み立てられるパーツが入った被災者支援箱「くうねるぼっくす」を発売した。本体は段ボール製。共通のパーツを切り込み口に差し込むなど、簡単な作業で組み立てられる。棚やげた箱など、多様な家具としても使える。消費税抜きの価格は1万2500円。災害時の生活支援用備品として提案する。

 箱の重さは14キログラムで、いす8脚の材料やげた箱用仕切り板などが入っている。いすサイズは縦45センチ×横45センチ×高さ35センチメートル。いす4脚を連結するとテーブルに、8脚を連結するとベッドになる。

 段ボールの中芯に、高強度の重量物梱包(こんぽう)仕様を採用。また、仕切り板を格子状に組むなど設計を工夫し、十分な耐荷重を確保した。場所を取らないため、避難場所に平時から配備できる。

 パックスは段ボール製品や包装資材販売を手がける。災害ボランティアに取り組む地元NPO法人の監修を受け、製作した。

段ボールの国内生産、来年10年ぶり最高更新へ


 2016年の国内段ボール生産が07年に記録した139億6600万平方メートルに迫り、17年は10年ぶりに過去最高を更新する見通しとなった。全国段ボール工業組合連合会(全段連、大坪清理事長=レンゴー会長兼社長)は1―10月実績に基づいて16年の生産見通しを前年比1・6%増の139億5700万平方メートルに引き上げ、17年については16年実績見込み比1・0%増の141億平方メートルと予測している。

 全段連は15年12月の段階で、16年の生産量を前年比1・2%増の139億平方メートルと予測していた。1―10月累計は前年同期比1・5%増の114億8594万平方メートルとなり、17年の需要予測に合わせて上方修正した。

 10月の生産量は7月以来、3カ月ぶりに前年同月実績を下回ったが、11月から回復基調が鮮明になっているという。「この勢いが続けば、16年で(07年に記録した)過去最高を上回る可能性もある」(大坪理事長)としている。

 需要部門別では高齢化と就農人口減少が進む青果物を除き、いずれも堅調。約4割の比率がある飲料を含めた加工食品が需要全体をけん引し、比率はまだ1割に満たないものの通販・宅配・引越用がインターネット販売の拡大で5%超の伸びをみせている。

 また、リサイクル性に優れ、低環境負荷である点が再評価され「流通業界全般で段ボール容器の採用が増えている」(同)という。
           

日刊工業新聞2016年12月14日/15日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
組み立て式で、用途によって形を変えられる(トランスフォーム)できるところが利用者目線だと感じます。

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